こんにちは。

 

ご無沙汰しておりました。

 

11月下旬に降り積もった雪が溶け、

 

今日は午前は太陽が姿をみせたものの、

 

今は凩めいた風が吹き渡り、しぐれている弘前です。

 

 

 

 

さて今回は

時がずれてしまっていますが、10月号(第590号)より

 

小野いるまさんの『俳人の詠んだあおもり』 の13回目 です。

 

 いるまさんの以下の3冊の著書から、月1回の割で、澁柿園の俳人を中心にご紹介しています。

 

『俳人の詠んだあおもり』   (2008年 北方新社)

『続俳人の詠んだあおもり』  (2009年 北方新社)

『俳人の詠んだあおもり第3集』(2010年 北方新社)

 

また現役俳人でもいらっしゃるので1句ご紹介。

 

     今月の一句

        

    冬日濃し禅林街を訪ねをり いるま

  

                          (青森県句集第34集)

 

 

 

 

 

 

俳人の詠んだあおもり⑬

 

    田中 空水 (たなか くうすい)

 

            ひまわり支部支える 

 

田中空水は、四国を拠点とする俳誌「ひまわり」で活躍する俳人である。「ひまわり」は昭和二十一年、高井北杜(ほくと)が徳島で創刊した歴史ある結社で、師系は「石楠」(しゃくなげ)の臼田亜浪。「やさしく、たのしい庶民の詩」を社是に掲げている。

北杜はその後、名誉会長におさまり、主宰は息子の高井去私を経て、今は西池冬扇(とうせん)へバトンタッチされた。

北杜が主宰だった昭和六十二年九月、北杜を団長に三十人の「ひまわり」の仲間たちが青森にやってきた。一行は恐山を見たあと、津軽各地を吟行する。板柳町ではりんごが真っ赤に色づいていた。四国の俳人たちには初めて見る景だった。この時北杜が詠んだ

 

りんご熟れ肩くっきりと岩木山    北杜

 

は後日、句碑となって同町のりんご公園にお目見えした。空水は、最初の吟行の時も一行を案内したし、平成五年十月の句碑除幕式では裏方として走り回った。 桜庭梵子を代表とする 「ひまわり」 陸奥支部は、結社を支える拠点の一つ。梵子が健康を害してからは、空水が支部のメンバー十人を実質とりしきる場面が多く、毎月の句会をはじめ、多忙をきわめる。

空水が俳句を始めたのは昭和三十三年ごろから。同じ板柳町に住む桜庭梵子の紹介で俳誌「地帯」へ入会。これがきっかけで俳句へのめりこむことになる。「地帯」は福島小蕾(しょうらい)が主宰。 小蕾は、梵子や舘岡林影らが旧沿川村から出していた「十川」という俳誌の選を引き受け、何度も津軽へ足を運んでくれた。 来県すれば何日も泊まりがけ。酒を酌みかわしながらの賑やかな句会になった、と小蕾は一文を残している。

昭和四十四年、小蕾の死去で 「地帯」は終刊。空水は太田鴻村(こうそん)の「林苑」へ移ったが、ここも平成三年の鴻村死去を機に退会した。 「ひまわり」入会は昭和五十六年。兄事していた梵子が結社を何度か変えたため、 そのたびに空水は行をともにした。

 

軒氷柱ぶっきら棒に空青し     空水

 

除夜の鐘一つひとつに目をつむる  空水

 

「林苑選集・第2集」に載った空水の句である。 三十三年二月、空水は病を得て入院する。入院中の句と、退院を前に詠んだ句を抜いてみよう。

 

胸病むや春の銀河に支線なし    空水

 

風光る折鶴玻璃に胸はれば     空水

 

退院の荷にからまるは芽木の青   空水

 

夜空に広がる星。〈支線なし〉は、見上げた空を銀河鉄道に見立てたものだろうか。 昭和四十年から五十年ごろまで空水は俳句を中断した。健康を害したことと、勤めの関係からだった。復活してからは「新青森県句集」へも投句は欠かしたことがない。

 

妻の知恵入れて我が家の冬囲           空水

 

松宮梗子は、陸奥新報に連載中の「日々燦句」の中でこの句を取りあげ、こう鑑賞している。

男どもは仕事をする時、〝おなごの浅知恵〟とばかりに、女の言うことには耳を貸そうとしない。特に外回りの仕事、雪囲いなどがそうだ。だが、掲句は初めから〈妻の知恵入れて〉というのだからおもしろい。

目の前の高い木をどう囲おうかと思案していたら、奥様が「こうやれば」とひとこと。〈これが妻の知恵入れて〉の一句となった。

 

朝夕の子らが近道りんご咲く      空水

 

りんごの花が咲いた。そこは子供たちが学校の行き帰りに利用する近道。日本一のりんご地帯板柳町に住む空水は、いかにも津軽らしい景を切り取っている。 他に近作二句。

 

ひと山を越えて大きな虹と逢ふ   空水

 

雁渡し風車はいつも右回り     空水

 

(『続俳人の詠んだあおもり』2009年刊・北方新社)

 

 

 

 

《若き友人》

 

1年半ぶりに若い友人に誘われてランチをした。

アートフラワーに魅せられ、いろいろ挑戦しているとのこと。

 

その友人から思いがけなくスワッグを頂戴した。

早速玄関に飾った。陋屋(ろうおく)も一瞬にして華やかに❕

 

 

 

別の日、

別の若い友人は歌声が素晴らしい。

そして漬物が得意。

赤カブの漬物を頂戴した。

甘すぎず、塩っぱからず、程よいうまさである。

 

 

 

あっという間に今年も終わろうとしている。

ものぐさな私であるが、今年のブログがこれで終わりにならないよう、

努めたいと思う。