こんばんは。ご無沙汰しておりました。

 

ようやく朝夕が涼しくなってきました。

 

今、庭からは

にぎやかな虫の音が聞こえてきています。

 

 

 

 

 

さて、今日は『澁柿園』9月号(通巻589号)の「一面鏡」をご紹介します。

  

「一面鏡」とは歴代の澁柿園代表が綴っているエッセイや俳論などの欄で、

 

毎号巻末に掲載しています。代々の代表が毎号綴って来たので、今号で

 

589回目になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

  一面鏡(589回) <俳句の辺> (26)

 

           

             木田多聞天

 

   『澁柿園』巻頭句あれこれ(10)

 

吉沢野露の巻頭句

 

日脚のぶ毬藻が吐きし泡あくび    野露(以下同)

(『渋柿園』第80号 昭和五十六年)

駅の名を読みて忘れて秋桜

( 『渋柿園』第137号 昭和六十年)

※今号(平成六十年十二月号)に、

澁柿園俳句会が企画した加藤凍星前代表の

遺句集刊行の掲載。

 

老いの風邪躓くごとくひいており

(『渋柿園』第151号 昭和六十二年)

黄落の終の一葉は拾うべし

( 『渋柿園』第152号)

春燈下鶴となりゆく薬包紙

( 『渋柿園』第156号)

※今号は、昭和六十二年五月二十八日に

逝去された加藤路子(本名・美地子) 追悼号。

 

搗かれつゝ餅を染めゆく蓬かな

(『渋柿園』第168号 昭和六十三年)

 

 

 

 

ぼんぼりの灯影に添うてくる弥生

( 『渋柿園』第191号平成二年)

手の窪のそこが浄土か柿一つ

( 『澁柿園』第198号平成三年)

白梅の白に疲れし目を洗う

(『渋柿園』 第204号)

 

朝顔の種買うだけのバスに乗る

( 『渋柿園』第241号  平成六年)

風に色つけて五月は駆け抜ける

( 『渋柿園』第254号 平成七年)

 

黒豆を明治に生えし歯もて噛む

( 『渋柿園』第272号平成九年)

袖口はすぐに見つける秋の風

(『渋柿園』 第282号平成十年)

疲れたる尾より降りくる鯉幟

(『渋柿園』第325号 平成十三年)

新しく遺書かき変へる暑さかな

(『渋柿園』第327号)

落葉踏む杖の重さは身の重さ

( 『渋柿園』第330号平成十四年)

 

括られし萩をわが身と思い見る

( 『渋柿園』第378号平成十八年)

湯豆腐の箸を止めてる聞上手

( 『渋柿園』第392号平成十九年)

林檎てにすればとび出す津軽弁

( 『渋柿園』第393号平成十九年)

子雀を一羽飼いけり耳の奥

【『渋柿園』第408号平成二十年)

百歳や秋茄子程の味となり

(『渋柿園』第438号平成二十三年)

おむつよりおむつまで生き藤の花

(『渋柿園』 第446号)

 

 

 

 

 

 

 

《第41回県下深浦俳句大会》

9月上旬

深浦町(秋田県に近い日本海側の海の町)で

俳句大会が開催された。

 

 

弘前からはJR線で2時間30分、

車で行くと2時間くらいの道のりである。

 

深浦までは遠いので前泊する人もいるが、

10時開催に合わせて下北の大間町から

明け方に出掛けてくる俳句愛好者もいる。

 

ちなみに今年の参加者は

宿題句(2句)160人、当日席題句(3句)74人だったそうだ。

 

今回私は思い切って車で出掛けた。

 

途中千畳敷海岸を眺めながら休憩した。

弘前を出発した時は雨だったが、

千畳敷海岸に着く頃は陽が注いでいた。

 

会場は町役場文化ホール。

 

ゆったりとした会場で句作し、

美味しいお弁当を頂いた。

 

高得点で入賞すれば、嬉しいが、

そうでなくても、小旅行気分で

楽しめる。

 

大会終了後、また寄り道をしたが、それについては次回に。

 

充実した一日だった。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。