こんばんは。
いつもご訪問くださり、ありがとうございます。
弘前は雨が降ったりやんだりの日が続いていましたが、
今日は久しぶりに一日晴れました。
さて、今日は『澁柿園』7月号(通巻587号)の「一面鏡」をご紹介します。
「一面鏡」とは歴代の澁柿園代表が綴っているエッセイや俳論などの欄で、
毎号巻末に掲載しています。代々の代表が毎号綴って来たので、今号で
587回目になります。
一面鏡 (587回)
<俳句の辺(24)>
木田多聞天
『澁柿園』巻頭句あれこれ
◇齊藤泥雪の巻頭句
三寒の皺ひきのばす包み紙
(『渋柿園』第57号 昭和54年)
夕立の粒を揃へし水たまり
( 『渋柿園』第84号 昭和56年)
耳打ちの好きな児と居り春隣
( 『渋柿園』第117号 昭和59年)
頬ひげの午後のざらつき桐の花
( 『渋柿園』第145号 昭和61年)
美しき鳩の首すぢ梅雨に入る
(『渋柿園』 第170号 昭和63年)
梅雨深し孔雀の羽に緑の目
( 『渋柿園』第171号)
更ける夜の吹雪の阿吽聴きゐたり
(『渋柿園』第201号 平成3年)
引き返す道のりも又枯野かな
( 『渋柿』第331号 平成14年)
今号(平成14年3月号)は、平成13年12月に逝去
された高橋修也氏の追悼号である。
受験子の鉛筆の芯みな尖る
(『渋柿園』第383号 平成18年)
明易し昨日の蔓が物つかむ
(『渋柿園』 第421号 平成21年)
刈穂祭鎌に真白き和紙巻かれ
( 『渋柿園』第486号 平成27年)
今号(平成27年2月号)は、平成26年12月に
逝去された、前代表・藤田枕流氏の追悼号である。
窯出しの壺陽炎を生み出しぬ
( 『渋柿園』第491号 平成27年)
さざ波に肩肘張れる水馬
( 『渋柿園』第492号)
田水張る浮島のごと家灯り
( 『渋柿園』第493号)
今号 (平成27年8月号)に、七月四日の第一例会
後に、総会を開き、「澁柿園会則」の改正が正式に決
定したことの記事が掲載。
風好む丈となりたる青すすき
( 『渋柿園』 第494号)
廃校の灯の無き月日蚊食鳥
( 『渋柿園』第504号 平成28年)
まだ風の重さを知らぬ蝶生る
(『渋柿園』第514号平成29年)
八月の鋭角で折る千羽鶴
( 『渋柿園』第530号平30年)
野火の穂の風を咥へて延びにけり
( 『渋柿園』第551号令和2年)
フルネーム告げ大寒の点滴す
( 『渋柿園』 第560号 令和3年)
《祝「たかんな」創刊三十周年》
青森県八戸市に「たかんな俳句会」(吉田千嘉子さん主宰)という俳句結社がある。
おそらく県内では一番会員数が多いのではなかろうか。
7月〇日、その創刊三十周年記念の祝賀会にお招きいただき、行ってきた。
たかんな主宰 吉田千嘉子さん
同じ県内だが弘前からは結構遠い。車では3時間近く。
私はJR奥羽本線、東北新幹線、八戸線と乗り継いで2時間近く。
俳人岸本尚毅さんの記念講演を拝聴し、
その後の祝賀会では、久しぶりに県下の句友と歓談できた。
岸本尚毅さん
3句ご紹介
風は歌雲は友なる墓洗ふ 岸本尚毅
緑蔭やものを食ふ顔よく動き
虚子居らぬ世や風鈴を見て欠伸