句集「あすなろの華」という青森県を詠んだ著名俳人作品集がある。

 

(昭和54年5月25日刊 発行は青森大学出版局編集部 204ページ)

 

序文 山本健吉   題字 宮川翠雨

 

40年くらい前の随分古いものながら、私が借用して読んだのは2年くらい前。

 

昔の俳人、しかも名前を初めて知る俳人も多い。しかし、読み始めると、なかな

 

か面白かった。郷土を愛する一人としては、来県された俳人たちの句はやはり面

 

白い。そんなわけで、俳人たちの青森吟行句を少しずつご紹介していく。

 

今回は2回目である。

 

(俳人たちはあいうえお順・掲載句は多い方は55句、少ない方は1句だった)

 

 

石井露月(ろげつ)

 

諸共に新酒の酔や国訛り    (佐藤紅緑家にて 泊)

 

 

 

石塚友二

 

雨聴いてみちのくの春惜しめとや

 

 

石原八束

  

岩木山燃ゆる一望青林檎

  

秋の爐に北のなまりの薬師妻   (藤崎にて)

 

 

 

磯貝碧蹄館(へきていかん)    草田男門下

 

日月すずし海へ口あく墓提灯      (下北にて)

 

草矢放たん津軽の空は青鋼       (黒石にて)

 

 

伊丹公子      三樹彦の妻

 

馬具店のくつわが火照り津軽は祭

 

 

伊丹三樹彦

 

星つかむ男ねぷたの灯のてつぺん

 

 

稲垣汀子

 

時雨るるやみちのくらしく秋はあり    (大鰐にて)

 

 

 

 青森県北津軽郡中泊町(なかどまりまち)の旧家宮越家 

 

 

 

9代当主が大正9年(1920)に33歳の誕生日を迎える夫人に

プレゼントした部屋の窓である。

ステンドグラスは大正から昭和初めに活躍した作家小川三知が手掛けた。

                      

 

 

 

        この2枚は6月吟行に出掛けてきたときのスナップ写真。