【扉は開けるためにある】
ここは安全で
傷つくことがなくて
ふかふかの雲の上に寝転がっている気分

落ち着きを取り戻した世界が
優しい風を送ってくれる

それなのに
旅に出たい

そこが何処かは分からないけど
行ったことがないから
心は穏やかさを好むけど
同時に
停滞を好まない

世界は一面的ではなくて
いくつも重なり合っていて
平面だと思っていた大地に
突然階段が現れたり

何もない道の真ん中に
新しい場所への扉が
現れたり消えたりする

見えるのに
信じない
もちろん
信じないのも
自由だけど
信じないのは
怖いから

その階段は
先が見えないから
その扉は
1人で開けないといけないから
でも
大丈夫
その階段も扉も
あなたのために
用意されたもの

本当のあなたが
望んだもの

だから身構えないで
荷物も要らないから
自分だけを持って
進むの

水上 宙