宙の生きる世界 | 水上そら
【宙の生きる世界】
何も居ない草原で
細い雲が空をかすめる夜
星空が所々見え隠れする
月は思いの外
明るくて
世界を静かに灯した
風の音が聞こえる
この世界はいま
わたしだけに存在している
そんな気持ちになった
ずっとそうだったのよ?
声が聞こえる
ココはあなたの世界なの
歩き出したら
星空は
月の光は
わたしについて来た
仲の良い兄弟みたいに
雲が薄れれば星がもっと見えるのに
そう思ったら
風が強くふいて
雲がひらひらと舞って消えた
風がわたしに味方してくれた
この世界、好き
そんな言葉が浮かんだ
体が軽くなった
この世界、好き
水上 宙

