優しいのは大ちゃんの方だよ。
いつも僕は大ちゃんに助けられてばっかりだ。
「…ごめんね、大ちゃん。
じゃあ遠慮なくお薬貰うね」
この頭痛がおさまったらちゃんと大ちゃんに恩返ししなきゃ。
僕は大ちゃんに感謝しながら掌の薬を口の中へと放り込み、
手近にあった飲み物の容器を手に取りささっていたストローを勢いよく吸い込んだ。
「まおっ、それ違うっ」
大ちゃんが言うより早く、
ドゥルンッと口の中に液体と共に異物が入ってきて僕はプチパニックになる。
「おまえ、それタピオカっ」
どうりで勢いよく吸い込みパンパンになったほっぺの中には錠剤よりも大きな丸い物が数粒、
薬よりも大きな存在感を示していて、
どうしよう。飲み込めないっ。
僕は青ざめて大ちゃんを見る。
「タピオカも入っちゃったのかっ?
飲み込めないなら一回出すかっ?」
そう言われたけれど、これは大ちゃんから貰った最後の貴重なお薬で、
甘い液体まみれのお薬を出した後にもう一度飲み込むのにも抵抗があって、
僕はぶんぶんと首を横に振る。
「じゃあ、口の中に入ったタピオカだけ右のほっぺに避けられるか?」
大ちゃんが心配そうに見つめる中、
僕はこくんと頷くと少しずつ口の中を仕分けしていき、
やがて薬が溶け出して少し苦味のある液体とともにお薬を飲むのに何とか成功した。
のだけれど…僕がお薬が効くまでぐったりとしている間、
僕にタピオカを買ってくれた馬場っちが大ちゃんに怒られてるのは本当に申し訳ないことをしたなと思う。
大ちゃん、馬場っち、
本当にごめんなさい…。