うちの近所は立派な田舎である。
だから、田んぼあり、畑あり、藪も野っぱらもある。
見渡せば、花盛りの場所も。
昔は自分の家に花をいっぱい、というのに憧れたけど、今はとても。
だって、花を活ければ水がぬるんで臭くなる。
観葉植物を置けば、キノコバエが繁殖。
たださえノミバエ、チョウバエに悩まされてる身にはこれ以上の厄介はゴメンだ。
花なんてね、お外で愛でるに限る。
他所のお宅の手入れされたキレイな花壇、花の季節の桜だの、金木犀とかの香りも素晴らしく、季節季節の楽しさを満喫できる。
自分の手は汚さず、いいとこ取り。
ズルいが許して欲しい。
もう、年なのよ。
お使いがてら近所の自然を愛でる。
今のワタシにはベストのチョイス。
頬を撫でる風に季節の移ろいを感じながら。
今は朝のうちが狙い目。
すぐ暑くなるからね、バテるのだ。
こんなワタシでもね、昔は頑張ったのよ。
プランターでも育つ野菜とか。
茸のキットとか。
薔薇を飾ったりとか。
でもやめた。
もう、疲れた。
大体後の始末が大変なんだ。
一番の難物が土。
そう、ホームセンターで山積みになってる、あれ。
みんな、ガンガン買ってるあの堆肥。
あれ、後どうするの。
そう、土ってゴミとして回収してもらえないんだ。
そもそも土は自然物だから、ゴミという概念に馴染まないらしい。
で、どうしても回収となると産廃業者に依頼して有償で廃棄。
これがまた、高いのよ。
で、どうするかというと、思うことは皆一緒。
そう、土の不法投棄があちこちで。
こないだニュースでやってたのは、東京三鷹の井の頭公園。
明らかに肥料の混じった土がバーっと捨ててある。
酷いのは植木鉢ごと。
自然に還るというなら聞こえが良いが、これはいわば人工物。
更に困るのはここに混入されたあらゆる種。
たいてい外来種とかの植物が鉢のまま放置なんてされるわけだから、そこからしっかり成長して今や生態系を脅かすほどに。
うちの近所もね、野原の辺り、同じようにコンテナやプランター、植木鉢ごと捨ててあって、そのまま育っちゃってる。
これ、アフリカ原産だろう、というのもあって、こういうのってすごく丈夫でガンガン増えてる。
いつか、害のある外来植物として指定されるレベルの危険性もあって大丈夫か、と本気で心配になるけど、自分で見殺しにするのが嫌な人間は動物でも植物でも持て余すとその辺に捨てちゃう。
後は知らんふり。
立て札を建てても効果なし。
むしろそういう解決方法があったか、と真似る人が増えそう。
でもさ、入口だけ作って出口を作らないからこういうことになるんだよ。
いち早く気付いたホームセンターが土を回収するサービスをしてた。
それをもう一度作り直して新たに販売。
材料は仕入れなくてもお客が自分で持ってくる。
まさに永久機関のように、ぐるぐる回るリサイクル。
一見店の一人勝ち、という感じだけど、店にとっては貴重な敷地を土に明け渡さないといけないし、管理も大変だしリサイクルだってお金がかかる。
でも、出口戦略を作ってないといずれ破綻する。
それに土を持ってきた人ならどこかに引け目があって、商品を買ってくれるかも。
全部じゃないけどお役所によっては同じようなリサイクルをしてるところが。
そうやってキレイにした土を改めて袋詰して市の催しの際に無料配布。
お金とってもいいレベル。
だって、税金使ってやってるんだし。
ワタシがいるところの役所は当然のごとく回収不可。
だから、不法投棄があちこちに。
ただ、草刈りをしてそれを堆肥化したものは無料配布してるらしい。
たまに広報に書いてある。
こういうのって漏れなく取りに行く人もいるんだろうね。
というか、タダが何より好きな住民が多数だから、目掛けて行きそう。
ワタシは面倒くさがりだから行ったことないけどね。
買えば数百円はするから、タダならそれで楽しめるなら何より。
それでも今は土の回収をしてくれないので、とりあえず庭や畑に捨てる、という人が結構多いかもしれない。
でもさ、作物を作ってる人だって、いくら自分の敷地内だからって、酷い捨てようをしてるところも結構多いんだよ。
ああいう土地を知らずに買うとそれはそれで大変そう。
だって、ビニールハウスを廃棄した場所に育ってる雑草が緑を通り越して青黒く育ってるのを見たよ。
いわゆる過栄養。
いくら旺盛な雑草でも、フラットな土地にするまでは時間がかかりそう。
ああいうの見ると、プロの野菜でもヤバいのがあるだろうな、と思っちゃう。
年を取るということはひとつずつ可能性を閉じていくこと。
花や作物、植物を育てたい、と長年思ってそれなりに努力もしたけど緑の指を持ってないワタシには無理だった。
でも造花も嫌だ。
ドライフラワーも。
やっぱり自然を感じたいから、お外で満喫。
キレイにして下さってる皆様、いつもありがとうございます。
今日も読んで下さり、ありがとうございます。