先日来、凝りに凝ってるスコーン作り。
それが今回、ドツボにはまる。
なんと膨張剤を入れ忘れ。
出来上がったスコーンはガッチガチ。
食べれないことはないから泣く泣く食べてるけど、美味しいとはお世辞にも。
ふわっとサクッと、が歯が立たないくらいの固さ。
わーん。
大分慣れた頃、こういうことが起こりがち。
ボーっとしてたということもあるかもしれないけど、それにしても。
イギリスとかの予め膨張剤が入ってる粉ならここまで酷いことにはならなかっただろうけど、日本は小麦に添加物は入ってないからね。
どうしてこんなに好きなのか、と思うほどスコーンが好き。
で、人によって若干の材料差があって、どれが良いかと模索中。
まあ、更に自分流にアレンジしてるから既に別物なんだけど。
ソーダブレッドとかパンケーキでも良いんだけど、スコーン。
ビスケットほど甘くなくて、パンより甘い。
このボソボソした食感が子供の頃から何故か好き。
最初に食べたのはドンクで売ってたレ・スコーン。
袋に6枚入りだったかな、平ったくて長四角で、どっちかというとホテルスコーンと呼ばれるタイプのしっとりしてレーズン入り。
それが好きでいつもそればっか。
4月は同じ生地で魚の形に成形された大きな物が2枚。
ポアソン、と名前がついてたっけ。
いつの間にか見なくなり、今でもそれでもつい、探す。
あれ、美味しかったんだけどな。
ポアソンの目玉にドレンチェリーが嵌めてあったのまで覚えてる。
同じくドンクで売ってた、別のパン屋でも今も探してるねじりドーナツ。
スネークという形状で、生地がデニッシュ生地。
それもふわふわじゃなくてうすっぺたいの。
それを捻って丸い形にして揚げたのにグラニュー糖がべったりかかってる。
最初の頃はペットシュガーが袋の外についてた。
そして生地にはレーズンが練り込まれてた。
どうして子供の頃の味って、思い出して食べたくなるんだろう。
レ・スコーンがスコーンだと気づいたのは本当にいい年になってから。
当然店にはなくって、でも食べたい、という思いが募った頃、あ、これってスコーンだったんじゃ、とやっと結びつく。
それからあれこれ試して、多分そう、あれはホテルスコーンだよ、と。
それもパン屋のスコーンだから、膨張剤を使わずもしかしたらイーストで作られていたかもしれない。
ビゴさんのパンの本に載ってて一度作ってみたけど、うまく出来なかった。
イーストのパン生地って難しいんだ。
今は地味にベーキングパウダーを使い、型で抜く方式ばっかり。
ドンクのは細長いトランプみたいだった。
いやもう、よく覚えてるよね、自分の食い意地に改めて驚く。
ガチガチのスコーンを少しずつ齧りながら、そういえば子供の頃は何度失敗したかわからないくらいの失敗を繰り返したことを思い出す。
今みたいにユーチューブも無いし、お菓子の本だってほとんど字だけ、写真はモノクロで作り方なんて大雑把。
何もわからない子供が作れるレベルじゃなかった。
それでも作りたかったんだ。
今思えばそっちの道に進んだほうが幸せだったかも。
でも、壊滅的に体力がなかったからな。
いや、そうでもないか。
自分でそう思い込んでただけかも。
まあ、今となっては夢の夢。
それでもうん十年、お菓子作りは続いてる。
でありながら、この体たらく。
さすがに砂糖と塩を間違えたりということはないけど、焼き立てのパイをそのまま地べたにひっくり返して落としたこともあったな。
ビスケットの砂糖衣が固まらなかったことも。
ケーキを丸焦げにしたことだって。
それでも諦めない、というのはよほど好きなんだろう。
今回も次作るスコーンのことを考えてる。
それにしてもガチガチのスコーンは美味しくもないし、消化に悪い。
膨らんでないから小麦粉が微妙に生っぽい。
もう一度焼いてるけど、でも駄目だ。
いつまで出来るのかな。
いつになったら諦めて市販のものに頼るんだろうか。
難しいお菓子はもう作らない。
パンも諦めた。
でも、ビスケットとかスコーンとか、こういうのだけは作りたいんだよね。
何より焼き立ては美味しい。
バターもたくさん塗っても塗らなくても美味しい。
炊きたての御飯で結んだおむすびくらい美味しい。
これを諦める日が来たら、なんか生きてる楽しさも半減しそう。
それにしてもこれからもこの手の失敗が増えそうな予感。
だから、最初に材料を全部並べて、それから作ることにする。
スコーンだから、と舐めてた。
冷蔵庫からベーキングパウダーを出し忘れるなんて。
これが年を取ることなのか、単にトロいのかわからないけど、膨らんでないスコーンは本当にマズい、ということだけ分かった。
次はしないから。
今日も読んで下さり、ありがとうございます。