みんなの動物園で通称ニャレ兄さん。
猫に対する適切な愛情の注ぎ方といい、小洒落たイタリアンを作る様といい、カッコいいのはもちろんなんだが、ワタシが驚愕したのは台所。
片付けをした台所が映ったら、ガス台の五徳を壁に立ててある。
つまり、そこまでやって、完了ってこと。
感心するとすぐ真似る。
でも先ず、五徳の掃除から。
実は毎回適当に拭いたりして誤魔化してるけど、鍋の吹きこぼれとかで結構汚れてるのは知っていた。
ガス台の方は拭けば良いんだけど、あの五徳、どうしてああも洗いにくい形状か。
でも、やると決めたからにはやるもんね。
先ず、琺瑯の入れ物に重曹を入れた湯を沸かし、そこに五徳を沈めていく。
ついでにグリルの熱気出しも取って漬け込む。
数時間後、見た目はあんまり変わってない。
もう焼き付いちゃってるからね。
ゴチゴチの油汚れは多分専用のブラシとかじゃないと無理。
あ、持ってたか。
でも今はとにかく洗い流そう。
簡単な油汚れは手で擦れば取れた。
焼き付いたのはどうしようかな。
とりあえず洗って拭いて、見て見ぬふり。
驚いたのはグリルの蓋。
ちゃんと汚れ防止にアルミホイルを巻いてガードしてたんだけど、きったない。
地味に汚れてたらしく、洗って拭いたら布巾がまっ茶っ茶。
慌ててもう一度洗い直す。
思わぬ伏兵だったわ。
とりあえず朝晩、台所を片付けたらガス台の向こうの壁に立てかけておくことに。
なんか、見た目はカッコいい。
いかにもちゃんとしてますよ、という感じ。
見た目だけだけど。
自分ではこれでもちゃんとやってるつもりでいた。
毎回、油汚れとかハネは拭いてるんだし。
でも、根本が分かってなかったのね。
ヒト様のお家とか、部屋とか台所を見るのが好き。
友達いないから招かれることもなく、だからテレビでたまに見るそういう光景に食いつくんだけど、いかにも取り繕いました、には興味ない。
今回、ニャレ兄の映像に食いついたのは、やっぱりそういう自分では気付かない、でもやったらきっと効果ある、というのが目の前にあったから。
油汚れ、Gが好きなんだよね。
厨房で働いていた経験があるそうだけど、その店でもそうやって毎回リセットしていたのだろうか。
もしそうなら、素敵な店だ。
確かすきやばし次郎さんとか、谷昇さんのル・マンジュ・トゥーとかは営業後毎日厨房の全部を大掃除するのが普通って言ってたけど、世界的に有名なフランスの料理人でロブション氏がすきやばし次郎さんに行って、自分の店と同じくらいきれいなのは初めてって感動したとかなんとか。
この人も潔癖症なくらい、きれい好きだったらしいし。
でも食べ物を作るんだもんね。
キレイに越したことはない。
よく、汚い店のほうが美味いとか言うけど、絶対そんな事無い。
そういうところに意識が行かない料理人は味や衛生面で問題あると思う。
寿司屋とフレンチの巨匠が出来るなら、他でもきっと出来る。
恥ずかしながらワタシの台所は落第点だな。
毎日掃除してるけど、そこまで神経が行ってない。
でも、出来ることから一歩ずつ。
今日は五徳をキレイにできた。
次は脂が固まって色がついてる壁を攻略してやる。
そうやって少しずつ、確実にキレイにできたら、それだけで嬉しい。
アルコールで毎日壁を拭いてもあんまり変化がなくて、近頃は重曹水を入れたスプレーで噴霧して、あと、拭く。
ちょっとずつキレイになってきた。
一度には無理だけど、できる限り頑張ろう。
ただね、今の台所はワタシには広すぎる。
ホントはもっとちっちゃくて良い。
部屋が狭ければその分神経も行き届く。
疲れちゃうもんね、たださえ油まみれになりやすい場所だから。
それにしてもこういう基本をなんで子供の頃にちゃんと覚えなかったのか。
親の躾に入っていたはずなのに。
そして、家庭科の授業だってあったのに。
コンピュータの勉強とか、外国語の習得だとか、そういうのも大事だけど、実は家庭生活をきちんと遅れるように家事、炊事のやり方を身につける方がその子の先の人生を考えたら重要だと思う。
ほら、ローラ・インガルス・ワイルダーの本で、父さんは自力で井戸も掘り、ログハウスも建て、家畜を飼って肉にもするし、鉄砲で獣や鳥を撃って食料にしたり皮を剥いで売ったりする。
魚を獲って塩漬けにしたり、肉は燻製、せっせと摘んだ果物はジャムに、ととにかくすべてを無駄にせず活用できるだけの知恵がある。
母さんも同様。
しかも学校の先生だったから、娘たちの学習まで引き受ける。
こういう生きる基本がきちんと出来てれば、きっとどこへ行ってもやっていける。
そういうことこそ教えるべきじゃないのかな、と勉強してりゃ文句も言われないというイマドキのお子の行く末を案じるわけでありまして。
まあ、ワタシも人生終りが見えてるけど、死ぬまで勉強だから、ひとつ良いことを身に付けたと思って、地道に前進していくつもり。
今日も読んで下さり、ありがとうございます。