ワタシの朝は雑巾がけで始まる。

 

窓ガラスを開けて桟までついでに拭き、床を雑巾で乾拭きする。

後で箒で掃くけれど、そこまでやってから朝の通常作業に入る。

 

以前は掃除の一貫と思ってやってたけど、近頃は結界を張ってる、若しくは張り直してる作業だと思うようになった。

 

昔読んだ本にこの地球にはあちこちに泉や温泉みたいにエネルギーが溢れ出してる場所がある、とあった。

不用意に近付くと当てられるので、鋭敏な感覚を持った人やそれなりの修行を積んだ人以外が近付かないように、祠やしめ縄みたいなので結界封じしてたんだろうな、とその話を読んだ時は思った。

 

エネルギー自体には善悪が無いので、あくまで力を得るだけ。

それを善く使おうと悪用しようと、それは力を得た本人の勝手というか。

ただ、使い方を誤れば、当然報いは自分に還ってくる。

 

近頃掃除をしてるとその話をよく思い出す。

その話の続きでは、実は山奥とか特別な場所じゃなくても、結構人が住んでる近くでもそういうエネルギーの溜まり場みたいなのが出現するらしい。

雨の後の水溜りみたいなものか。

 

皆、近ごろのスピリチュアルブームであちこちのそういう場所にお出かけしては気を頂いたりしてるけど、実は結構危険な行為なのかも。

ほら、昔は山に入るのだって精進潔斎してから入ったもんね。

 

で、そういう力を浴びてしまうとその力に対してどうしても良からぬものが引き寄せられることもあるらしい。

知らずに身に纏うと、素人ほど危険。

だからお家の中を掃除してキレイにしておくってのは怪しい気配を入れないためにも重要な作業と言える。

 

別に家にずっといるし、人に会わないから大丈夫、と仰るそこのアナタ。

テレビ、見るでしょ。

ネット、見るよね。

 

そこには辛いニュース、苦しいニュースがてんこ盛り。

悲劇は人を惹きつけるから、どうしたって見ちゃう。

そしてそういうニュースから発せられるものはやっぱり負の感情を引き起こす。

 

子供にあんまり暴力的な映像や戦争のニュース、災害情報は見せない方が良いっていうのは一理あって、自分でまだ防御できない柔らかい脳みそと心はもろにダメージを受けてしまう。

今流行りのHSPのみなさんもくれぐれも気をつけたが良い。

そういうマイナスのエネルギーが大好きなモノがいるってことだから。

 

そういえばこれも昔読んだ漫画、陰陽師に主人公の安倍晴明がやたらと配下の式神を使って部屋の内外に張り巡らした布だとか、自分が着てる衣なんかをお焚き上げさせる場面が出てくる。

 

陰陽師なんて自分に他人の魔を引き寄せて払うのがお仕事のひとつだから、余計にそうする必要があるんだろうけど、とにかく何かというとお焚き上げ。

あの時代、紙も布も超貴重品だったろうに。

 

その証拠にお友達の源博雅は帝に連なる血筋という貴族の中でもトップクラスなのにしょっちゅう衣を汚して従者に怒られてる。

これは今日おろしたばかりの衣だからくれぐれも気をつけて、と言われた先から清明を追っかけて泥まみれになる博雅クン。

たまりかねた従者がもう、あんな乱暴者と付き合っちゃいけません、と叱り飛ばす気持ちはよく分かる。

でも、悪い友達ほど、魅力的なんだよね。

 

この辺りが日本と外国の違いで、諸外国のお話を読んでても、汚れた衣とか鎧とか、別に破壊したり、ましてや焚き上げたりなんてしてないと思う。

むしろ血みどろだって、そのまんま。

日本人がけがれに敏感で弱いのか、諸外国の皆さんが雑で強靭なのかはわからないけど、紙と木のお家と石のお家の文化の違いをどうしても感じてしまう。

 

話が横に逸れたけど、とにかくそういういわゆる魔、みたいな力の存在は古今東西を問わず存在するらしい。

自分自身を振り返っても、朝起きた時に部屋がどんよりしてる感じがする。

窓を開けると何かが出ていくような気配がある。

朝の空気を入れて換気をするだけなのに、なんか重たいものが消えていく。

自分の中に溜まってた何か、それもあんまり良くない毒気みたいなのが夜間にカラダから息となって排出されて、それが部屋に漂ってる感じ。

 

そういうものが速やかに出ていってくれるように、無心で雑巾がけをする。

毎日やってるのに、台所なんて朝晩やってるのに、結構汚れが付いてる。

油汚れに食べ物のカス、服から落ちた埃、そういう諸々を拭いてゴミを捨てる。

それだけでなんか、サッパリするのよ。

 

ワタシは極めて現実的な人間なので、スピリチュアルに詳しい訳でもないし、単に興味があって本を読んでも、やっぱりわからんわ、というのが大概。

さっき読んだ本(ご興味があるならカルロス・カスタネダのドンファンシリーズでお探しください、多分図書館にもある)も何度読んでも分からず、でもそういうちょっとしたことが頭に残ってて、ある日、あ、そうか、と思い当たる。

 

雑巾がけをしてると単純に肩が解れて気持ちいいし、家には掃除機がないから後は箒でざっと掃き出すだけだけど、毎日してればそれなりの清潔は保てる。

布団を干したり、シーツを洗ったり、洗濯物を日に当てたり、という当たり前の動作が実は自分の周りの平穏を保つための大事な作業なんじゃないのか、というのもホントにここ最近気づいたことで、だから何だ、とも言えるけど、自分の中で落とし所を見つけたことで、眠気にも負けず頑張れる日々。

 

今日も読んで下さり、ありがとうございます。