私は人工呼吸器を挿入~挿管し43日目に離脱しました。

人工呼吸器をはずした首の傷痕は、ガーゼ?で覆われていることと

何より自分で鏡を見ることが出来ないのでどのような状況なのかは実は入院後3ケ月経つ頃まで見ることはありませんでしたし、状況がわかってはいませんでした。

「管を入れていた穴は自然に塞がり、時間はかかるけれど薄くなる」

ということは主治医や看護師さんからお聞きしていました。

 

でもその傷痕がとても丁寧に縫合されていたことがわかる日がやってきます。

人工呼吸器を完全離脱した数日後、耳鼻咽喉科の予約が入っていることが当日のスケジュールでわかりました。

耳鼻咽喉科って何だろう???これまたさっぱりわかっていませんでしたが、

大した不安も抱えずに耳鼻咽喉科外来に車椅子で連れて行ってもらいました。 

 

自分の順番が来ると初めまして(と思っていた)の先生が迎えてくださいました。

そして今日は何をするのかというのを教えてくれました。

それは、傷は自然に閉じるのだけれど閉じる過程で肌が盛り上がってきたりするので、それを出来るだけ綺麗にしたいので確認します。ちょっと切ったりするかもびっくり

と笑顔で説明してくださるではないですか。

話しをお聞きしながら頭がくるくる回り「私の人工呼吸器に関することは主治医ではなく耳鼻咽喉科の先生がしてくださったのですか?」と質問してみました。

「うん、ボクがやりましたよ。眠ってたもんね」と。

その時初めて、そうか!人工呼吸器は神経内科じゃないか!耳鼻咽喉科なのか!

とまったくもって初めて理解しました。

でもその「傷痕が出来るだけ綺麗に閉じるようにケアしてほしい」というのは私の信頼する主治医の指示なのだそうです。

私はリハビリ病院に転院するまでに2回、耳鼻咽喉科で傷痕の確認をしていただきました。

 

ただこれまでの人工呼吸器の挿入、その後の挿管は麻酔ですっかり眠っていて、何をされているか知りもしなかったのですが、今回は椅子に座っての部分麻酔ですガーン

まず、車椅子から椅子に移らなくてはならなくて、それが大変💦

車椅子では光がうまく当たらないのでやはり椅子に移そうとなり、看護師さんが呼ばれて、立てない私をぐっと引き上げて移してくれました。

(車椅子に戻るのも同様で大変です)

そして、麻酔を注射するとき以外に痛さはないものの、喉に向かって医療器具が向かってくるのと何かされているのはめちゃくちゃ怖くて・・・

身体が強張ってとても疲れたことを覚えています。

先生は「怖いよね、怖いよね、何するんだって思うよね」と優しい声で言いながら、何やらチクチクとつまんだり切ったりしていたようです。

途中でもう一人先生が入ってきて「いいね~」とか「ここを○○したら○○なんじゃない?」などと先生同士が会話して綺麗にしてくださいました。

最後に張られた傷口のテープは数週間したら自然にはがれるので、その時まで変えなくていいということでした。

 

主治医は一般病棟に移っても医師チームで毎日回診にきてくれます。

私は傷跡のケアについて感謝を伝えました。

すると

「これから社会復帰する時に女性だとなおさら気になるでしょう。

すぐには消えないし、完全に消えるかは人それぞれなこともあるのですけれど、出来るだけ綺麗に閉じるようにしてと耳鼻咽喉科の先生にお願いしただけですよ」と。

私は傷跡のことなどその時までまった気が回っておらず、傷口は自然に閉じるという会話でそうなのかと納得していたレベルの理解度であったにも関わらず、患者さんの先を考えて寄り添ってくださる処置でますます信頼が増しました。 

集中治療室にいる段階から先生は私の推しになっていましたし、看護師さんたちにも人気がありましたニコニコ 

良い病院で良い医師&看護師チームに治療していただいたと感謝しています。

 

そしてその自然に剥がれるというテープはその後転院先でもなかなか剥がれず、

取ろうかどうしようか。。まだかな。。。と迷いに迷い、結局テープを着けた1ケ月半後ぐらいに取ってもらいました。

その時です。

転院先の主治医が取った瞬間に

「なんて綺麗な傷痕でしょう!」と仰ったのです。

「え?そうなんですか?」と返すと

「ここまで綺麗なのはなかなか見たことがないです。凄いですね」

と言われたのです。

私も恐る恐る鏡で見せてもらいました。

首に縦に入った傷跡。白いところと赤いところがありました。こんな傷痕なんだ。

赤味はひいてくると思いますよ。数年かかると思いますが全体も薄くなってくると思うので焦らずにと先生は声をかえてくれました。

その後、私のケアをしてくれる看護師さんたちにも綺麗だね~と言われたので

間違いなく綺麗なのだと思います。

 

その後看護師さんが傷跡に乾燥を感じるようならと軟膏を先生に処方依頼してくださいました。

それは今でも塗っています。 

今使用しているものは「血行促進、皮膚保湿剤 ヘパリン類似物質」です。

あと特に初年度の今年の夏は日焼けを避けるようにとリハビリ病院の退院前に看護師さんがアドバイスしてくれたので

これまであまり使ったことのないスカーフを身に着けるなど、先生方が守ってくださった傷痕を、自分なりに守った夏でした。

でも傷痕を出すことを恥ずかしいとか嫌だとかは思ったことはありません。

 

自分で鏡が見られるになってからは傷痕は毎日みていますが、

術後の傷跡って先生からすると芸術作品にも値するのかもしれないと勝手に思っています。

傷痕、綺麗です。ありがとうございましたラブラブ