言葉を発せなくなり首をふる事もできなくなった私の医師や看護師さんへの伝達手段は「表情と口パク」になりました。
人工呼吸器も入っている事から口パクもわかりずらく、伝えるという事はなかなか
大変なこととなりました。
どうやって伝えたらいいんだろうとずっと考えていました。
口パクは後にスピーチカニューレになるまで1ケ月以上継続する事になりました。
しばらくしてよくあるお願いごとは看護師さんが紙にしてくれて、
この中にありますか?と聞いてくれるようになりました。
「暑い、寒い、痛い、痒い、身体の向きを変えたい」などなどです。
紙の枚数は増えていきましたが、とても助かりました
そこに書かれていない事を伝えたいときには口パクです。
口パクがうまく読み取ってもらえないと必死💦に口パクしていたようで
左右の計器が鳴り出したりして、慌てて深呼吸~深呼吸~と看護師さんと
と慌てて笑いあったりしながら口パクの時の呼吸の塩梅を学んでいきました。
笑いすぎるとそれも鳴るのでまた笑ったり
看護師さんは辛抱強くて、口パクでうまく伝わらなくて「だいじょうぶ」と
私がやめようとすると「やめないでぇ~大丈夫って言わないで💦もう1回お願い!」とどんなに忙しくても何とかしょうと食い下がってくれたりしていました。
その姿を見て、できるだけシンプルな短文で伝えることを心掛けるようにしました。
入院から数日した頃に、隣の方のテーブルに文字盤が置かれているという事が聞こえてきてわかりました。
文字盤を見てみたいと思い、それを看護師さんに伝えました。
これがなかなか通じなくて これ????とお隣から持ってきて見せてもらえた時は多分めちゃくちゃ笑顔だったのではないかと思います。
「それ使いたいです」が伝わって私のテーブルにも文字盤が置かれた時は、まずは1歩前進!とホッとした気がしました。
文字盤といっても、ドラマでみたような電子のタイプではなく、子供がひらがなを覚えるような右にあかさたな・・と母音、下に子音が並び、下段に数字が並んでいるようなA3判ぐらいの紙でした。
その文字盤を掲げてもらったものの指さす事もできず、
ここからまたさて?どうやろう??となりましたが、
言葉を特定するために私と看護師さんが到達した方法は、
まずは母音を特定するために看護師さんが読みながら指を右に動かし、該当の文字で私が瞬きを2回。
次に下におりて該当の子音で瞬きを2回で言葉を特定しました。
ただ文字数が多いと看護師さんも覚えていられなくなるので、長くなる時には
筆記しながら文章にしてくれるようになりました。
私は口ぱくで伝えにくいと感じた時には文字盤をお願いするようになりました。
これが後にLINEやemailの代筆に大きく役立つ事になりました。
自分の指が動くようになって、伝えたい事をスマホのノートに書いて伝えられるようになるまで、この口パクと文字盤での会話が続きました。
勿論、口パク認識率も向上していきました。
1回で解読できると看護師さんがやった!と喜んだりするぐらい
口パクはなかなか難しいものがありました。
そんあ口パクでも、医師や看護師さんとの対話は私にとって楽しい時間でした。
その日担当ではない看護師さんも出勤してくると顔を見せてくれて手を振ってくれたり声かけしてくれる瞬間は私にとってとてもとても嬉しい時間でした。