ルドルフ・シュタイナーの第一ゲーテアヌムです。スイスのドルナッハにありました。ドルナッハは、バーゼルにすぐ近い小さな町ですが、このシュタイナーのゲーテアヌムがあることで知られている……というといいすぎでしょうか。シュタイナーは、自分たちの劇場を建てようとしてドイツ国内で土地をさがしたけれどみつからず、結局国境に近いスイスの町、ドルナッハに広大な敷地を求めて、このゲーテアヌムを建てたようです。しかし、完成して間もなくなにものかによって放火され、焼失……もったいない話です。

1922年の大晦日だったらしいですが、年越しで燃えつづけ、なくなってしまいました。放火犯はいまだにわかっていないみたいですが、ナチスだという説もあるようです。ただ、ナチスが盛んになるのはもう少しあとのことなので、どうなんだろうか……と思って調べてみましたら、けっこう詳しく書いているサイトがありました。リンク
これによると、もしかしたら放火犯ではないか……とされる人物がいるらしいんですが、その人物がナチとかかわりがあったかどうかはわかっていない……ということは、つまりわからんということらしい。

第一ゲーテアヌムは、結局今では写真しか残ってないんですが、その写真を見ると、こんなふしぎな建物があったのか……と思います。なんか、イメージとしては、第二次大戦のときのドイツ兵のヘルメットを思わせるような……木造のドームを二つつらねたような構造だったみたいですが、内部はステンドグラスと彫刻と天井画に飾られた美しいものであったらしい……もったいないことです。しかし、シュタイナーはめげずにすぐに再建にとりかかり、彼の死後、第二ゲーテアヌムが完成……

この建物は、第一ゲーテアヌムとはまった異なった外見で、素材も鉄筋コンクリートですが、内部装飾はできるだけ忠実に第一ゲーテアヌムを再現してあるんだとか……上にあげたサイトによりますと、第一ゲーテアヌムには多額の保険金(今の日本円にして数億円)が掛けられていて、それで、第二ゲーテアヌムの建設もできたんだそうですが……それにしても、政治的な力関係が文化財を破壊するというのは、今のイスラム国やタリバンにはじまったことじゃないんですね……もったいない……

シュタイナーについては、いろんな見方があるようですが、私はちょっとオソロシイかな……と思います。あんまりよく知らないので、彼の肖像写真を見たかぎりの印象なんですが……眼光鋭く、なんかめっちゃ強力なオーラを発している……これはタダモノではない……そんな感じを受けました。人智学……アンソロポロジーについてもよくしりませんが、日本でも学んでいる人はたくさんおられるようですね。そういえば、以前、愛知県の山里に住むオイリュトミストの女性に会いましたが……

まるで、天国に暮らしているような、なんか実体を持ってないみたいな物質的に希薄なイメージの方でしたね……シュタイナーについてては、学んでみたいという思いと、オソロシイという感じが交錯して、結局深入りせずにきましたが、もうここまできたら、これからも深入りすることはないんじゃないかと……ただ、第一ゲーテアヌムみたいな、この世に二つとないふしぎな建築が放火によって焼失してしまったのはホントに残念に思います。世界遺産……じゃなくて、人間の「精神遺産」ともいうべきか……