野外活動研究会の方々と、名古屋駅前から栄生(さこう)、枇杷島にかけて歩きました。といっても、名古屋以外の方にとっては、どこをどう歩いたかピンとこないかも……ですが、まあ、名古屋駅から北北西に3キロくらい?の道のりを歩いたということでしょうか。名古屋市は、空襲でほとんど焼けましたが、こんな感じで、古い建物がまだ、ちらほら残ってます。しかし、ここらへんは、駅前のビジネス街に近いので、お店になってる。この並びはすべて飲食店に……
一緒に歩いていたOさんの話によると、最近、こんな感じで古い建物をちょっとナウい感じに改装する例が多いそうで、建築士の方々のはやりのお仕事になってるんだとか……うーん、そういえば、この感じ、どっかで見たことあるよなあ……と考えてたら、ハタと。あ、「おかげ横丁」……お伊勢さんの脇にある、あの映画のセットのような街並……あの雰囲気に似てます。黒を基調とした和風の外観設計で、若い人の好むようなデザインに仕上げる……
ということで、こういう造作を、勝手に「おかげ様式」と呼ばせていただこうと思います。ホンモノの「おかげ横丁」はもうちょっと骨太に造ってある感じですが、ここらへんの建物は、昔はフツーの民家だったから、けっこうぺらぺら。まあそれでも、リニア効果で、土地はガンガン上がってるから、やがてビルを建てるまで、こうやって飲食店に貸してる……ということで、このふしぎな様式も先は短い……まあ、古い民家の死装束みたいなものなのか……
で、駅からもう少し離れますと、この並びのように、「おかげ化度合」がちょっと薄まって、ややフツーの民家の風情に近づいてきます。土地の値上がり方も、けっこう緩やかになってる印象。ここは、昔の美濃路で、かつてはこんな感じの家々がずらっと並んでいたんでしょう。手前の家は漢方と整骨、鍼灸をやってるようですが、けっこうオシャレ。その向こうは飲食店かお土産の店か……さらに向こうの数軒は、どうやらフツーのおうちのようです。
さらに駅から離れると、こんな感じ。もうどこにも「おかげ様式」の面影はありません。フツーの長屋です。でも一応、黒い色にはなっている。このあたりの民家は、昔から黒く塗っていたのでしょうか……少なくとも、ここには、フツーの生活がある感じです。線路が近いので、鉄サビで全体が赤味がかっています。こういう家を見るとなんだかホッとします。「おかげ様式」はやっぱりカネのにおいがして、その分緊張?してしまいますが……
ところが……もう少し歩いてみると、コレです。これは一体ナニ様式? なにかの施設ということじゃなくて、個人のお宅らしいのですが……こういうふしぎなモノを見ると、世の中がわからなくなります。世相とかカンケイなく突然こんなものが入ってくるので、歩いてみるというのはオモシロイもの。一見すると最初の「おかげ様式」よりはるかに変わったデザインに見えますが、でも、「カネの緊張感」は最初の「おかげ様式」の方がはるかに高い……
ここに掲げた4枚の「民家の写真」を見て気がつくのは、最初の「おかげ様式」民家の写真以外は、みな電柱と電線が映りこんでいる……改めて思ったんですが、電柱や電線は、「カネの緊張感」をみごとにやわらげてくれます。逆にいうと、日本では、電線が地中化されている場所は、ヤバい。なんらかの「資本」が入りこんで、マトモな「生活」が成り立ちにくくなってるところなのかもしれない……そういえば、伊勢のおかげ横丁にも電柱、電線はなかった気がする……



