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asaoka*room

写真・家族・こころ・ごはん。

くだらない話から、深い話まで…
多彩なジャンルで色んなことを1人語りしています。


ふらっと現れふらっと消える。
気ままに更新。

こんな自由人ASAOKAのお部屋です。

今の旦那と結婚する前、息子と二人で赤貧の時期を過ごしていたことがあった。
1DKのアパートで、家具や家電なんかほとんどなくて。
暖房も備え付けのエアコンのみだけど電気代がかかるから極限まで我慢した。
冷蔵庫と炊飯器は貰い物を使って、ガス台もレンジもなくて1口のIHコンロをホームセンターで買って使っていたけど、おかずと味噌汁の2種類を同時に作れないから食べる頃にはどっちかが冷めちゃってたり。
洗濯機は高価で買えなくて、手洗いしたりコインランドリーに行ったりしていた。
掃除機はないから部屋を手拭きで雑巾がけ。

本当にお金も物もない時だった。
それでもなんとか息子には食べさせてあげることだけを考えてた気がする。
高価なおもちゃも洋服もなかなか買ってあげられなかったけど。

当時の仕事ではチームのリーダー職として使ってもらっていて、半年に一度昇給があって、最終的には時給もかなり上がってボーナスももらって、やっとまともな生活が成り立つようになってきた。
そこで思いきって買ったのが、洗濯機だった。
まだ息子は5歳だったので保育園でたくさん汚してくるし、服が汚れることで私に迷惑が掛かると気を遣う息子が不憫だった。
まともな生活と言ったって、普通の水準にはまだまだ到達はできていない状況だったし、洗濯機を買ったらまた貯金が底をつくような状況ではあったけれど、どうしても必要だと思った。

買った洗濯機は、2万5千円の5.2kgタイプのもの。
乾燥機能とかそんなのはどうでもいい、とにかく安くて洗えればなんでも。

洗濯機が据え付けられて、狭いアパートが更に狭くなった。
でも、息子が言った。

「おかあさん、これでやっとおうちで洗濯ができるね、良かったね!」

って。

息子が寝たあとにコインランドリーまで行ってたのも知ってただろうし、自分たちが普通で当たり前の生活ではないことも分かってたんだろうな。
たった5歳の子に、とてもとても我慢をさせてしまっていたんだろうな、と感じた。

その後まもなくして私は今の旦那と出会い、再婚することになったことによってふたりぼっちの赤貧時代から抜け出すことができた。


2018年の今日、あの洗濯機とお別れをすることになった。
結婚しても新居でそのまま洗濯機を使っていたので、9年使い続けた。
買ったときは私と小さな息子の洗濯物だったから1回回せば事が足りる十分なサイズだったけど、もう息子は私より大きな身体になり部活で泥だらけになって帰ってくるので洗濯物もかなり多い。
旦那も居るので3人+1犬になった我が家の洗濯機としては、ちょっとオーバーワークだったのかもね。

もう蓋も壊れてるしボロボロだけど、なかなか手放せなかったんだ。
一大決心をして買ったものだったから。
今までも何度か旦那が「洗濯機買おうよ」って言っていたのだけど
私が「大丈夫!まだ使える!」なんて言って断ってたんだよね。
でも今回、いよいよ調子がやばくなってきて。
そうしたら旦那が「夏のボーナスで買いな」って言って家電店に連れていってくれた。

決めたのは乾燥機がついた大型のやつ。
これで息子の大量の洗濯物も1回で済みそう。
毛布も洗えちゃうし、ほんとに助かる。

据え付けの前日に旦那が今の洗濯機を撤去してくれて、掃除をしたりしてたら

「洗濯機、外に出そうと思ったんだけどさぁ・・・もう使わないからって外に放り出すのは可哀想だから、ガレージの中に入れておいていいかなぁ」

って、旦那が。

なんか面白い人なんです。
でもね、優しいの。
物に感情はないけれど、愛情を注ぐ人で。
でも私たちは良く似ているんだよね。
前に乗ってた車とお別れするときに、3人で泣いたこともあったな。

優しすぎて困ることもあるんだけど、こんな旦那で良かったな、って改めて思った。


あの時代を一緒に過ごした洗濯機に一礼。
ありがとうございました照れ