その日は健診だったのだけど、産院が台風に被災して、一階の外来が使えない状態。
分娩室と手術室、病棟が機能している二階で尿検査、NST、体重測定、診察を受ける。
11時の予約で、すべて終わったのが16時。
診察ではかなりぐりぐりされて、我が家は車が水没したので一時間かけて産院まで歩いたのだけど、帰りはかなりしんどかった。
コンビニで遅いお昼というか早めの夕飯というか、キノコのドリアと菓子パンを買い、ぼちぼち産まれるだろうからもういいだろーと、カロリー摂取。
夫は帰宅後、車購入のための書類を貰いに、食べずに自転車で市役所へ。
私はしんどくて、とりあえず横になった。
一時間くらいで夫が帰宅し、コンビニで買ったご飯を食べ、お互い疲れてなんとなく静かになっている18:45に破水。
なんだかいつも胎動で蹴られるところとは違う場所に、いびつな水風船が勢いなく潰れたような「…ボン…」という鈍い感覚があり(音はしなかった)、数秒後、バシャバシャとレギンスが濡れていく。
私「…あ、破水…した…」
夫「えっ!?」
慌てる夫に、とりあえずバスタオルを当てて欲しいことを伝え、産院に電話する。
この時点では陣痛なし。
すぐに向かうよう言われ、移動方法を検討する。
まずこの時間帯、前日はタクシーが捕まらなかった。
なので最初からタクシーは諦め、市内に住む叔母に電話して送迎を依頼。
車を待つ間、夫に介助してもらって下着を産褥用に変え、破水用パッドを当てる。
叔母夫婦が到着し、念のため防水シーツ、新聞、バスタオルを車の座席に敷いて、まとめてあった荷物を持って産院へ。
産院到着が19:30。
満床で希望の家族宿泊可能な部屋には入れず、空いていた差額のない個室(家族宿泊不可)へ。
助産師の診察では、子宮口1cm、胎児もまだそこまで下がって来ていない、自覚する痛みなし、違和感程度。
この日は他にも分娩が重なっており(後から聞くと一晩で六人、日付変わってから私で四人目の分娩だったそう)病棟はバタバタ、私自身の本陣痛が始まっていないこともあり、夫と叔母夫婦は「明日の朝促進剤を始めるので」と説明をされて帰された。
私は歯磨きを済ませ、寝る体勢を整える。
が、徐々に下腹部痛が出てくるため眠れず、しかしアプリで時間を測ると不規則。
2分のときもあれば、4分、7分、14分、また4分…とバラバラ。
23時、助産師の見回りがあり、上記を訴えるが、
「破水するとそんなもの。子宮内圧が変わるから」
た説明され、
「なるほどー」
と納得する。
「陣痛が7~8分置きになったらコールして!」
と言い、助産師はバタバタと走り去る。
本当に廊下をバタバタと行き来する音がして、(ああ、今ここは戦場なんだな…スタッフのアドレナリンすごいんだろうな…。分かる…)と思う。
痛みのない隙によたよたとトイレにも行く。
段々痛みが激痛に変わる。
元々生理痛は重い方で、出産経験者の友達にLINEで現状報告するが、
「生理痛の重いの来た?」
と聞かれるも、(生理痛の重いのなんてもんじゃないのだがー!?)となる。
家族学級で教わった腹式呼吸をやるが、痛みで上手くいかないときが多い。
指揮者の如く両腕を振り上げて、深呼吸のリズムを取り、上手くできると多少痛みが違う気がする。
大きく深呼吸をすれば、3~4回の呼吸で痛みのピークが過ぎる。
これだけを励みに、時間の記録を取りつつスー…シューーー…と深呼吸を繰り返す。
慣れてくると、なんなら痛みがないときも深呼吸で誤魔化そうとする。
こちらが後に助産師に見てもらったところ、本陣痛が始まったと思われる22時前後の記録。
もー、これまだ本陣痛でないと言われてもいい!
一度見に来てくれ!!
と願って再コール。
来ない。
しつこく三度目のコール。
応答があり、痛みが強いことを説明し、助産師Bが来た。
私「なんだか二分おきに来るんですけど(>_<)」
B「診察しますね!」
で、診てもらうと
B「………………」
助産師Aも顔を出した。
A「どう?」
B「…全開してるし、降りてきてる」
2人の間に流れる、どうしよう分娩室空いてない…(もちろん人も足りない)の空気。
A「もうすぐ分娩室一つ空くから、そしたらすぐに移動しよう!」
B「硬膜外(無痛分娩)希望してますよね!どうします!?」
普通、無痛分娩の麻酔は子宮口が4~5cmのところで使うらしいのだが、全開してしまうと、痛みが遠退いてお産が長引いてしまうと説明される。
助産師的には今からの無痛分娩開始は勧めない空気。
痛みと状況で混乱する私「もう何でも良いです!!」
というわけで、普通分娩となる。
すぐに夫を呼ぶよう指示されるので電話すると、こんな時に限って圏外になっている。
夫を見限り叔母に連絡、すぐに向かうとのこと。
間もなく分娩室が空き、すぐに車椅子で移動する。
分娩台に乗り、叔母が到着し、分娩室のベンチへ。
叔父が夫を呼びに行ったと話がある。
深呼吸といきみの誘導をされ、横を向いて休憩。
夫が到着したのが3時45分、そこから本格的に分娩開始となり、4時16分に誕生。
3400g51cm。
カンガルーケアが始まり、間もなく医師が来て、胎盤排出、30分以上かけて皮膚縫合、診察をして退室。
胎盤は600g。
夫は目尻を下げながらビデオカメラを回している。
カンガルーケアでは、ずっしりと重い、大きい、プリっとした感触が、今までだっこしたことある子達の印象と違う。
産まれてから一時間後に、叔母夫婦も面会でき、部屋に戻って7時過ぎに一度三人は帰宅。
ここの産院では1日目は別室。
お腹は空くのでしっかりご飯は食べ、一時間寝ては目が覚め、を繰り返す。
一部切開されたところが裂けたところより痛い。
寝返りも一人ではままならない。
助産師に手伝ってもらいながら、トイレに行ったり、水分摂取したり。
午前中に家族が泊まれる部屋が空き、移動となったため、夫を呼んで介助を夫に頼む。
夫は助産師に助けてもらい、ここで初めて娘を抱く。
面会時間に叔父が祖母をつれて来て、夫が娘を連れてきて、ひたすら愛でて30分程度で二人は帰る。
夫が部屋を暗くしてくれたので、私はまた寝て、その間に仕事帰りの叔母も来て、果物を差し入れてくれる。
起きて、夕飯の時に同期達が面会。
再度娘と面会する。
ひたすら愛でて同期達が帰宅。
夜勤の助産師に、簡易円座の作り方を教わる。
21時、眠る。
が、痛み止が切れて、1時に夫を起こして内服。
そこからは私は眠れず。
痛み止が切れると、腰痛が出て来て子宮収縮も認識する。
7時にまた夫を起こして痛み止を内服し、うとうとしてくるころに朝ごはん。
ベッドで完食し、便秘に怯えながら下剤内服。
今日は診察のあとシャワーと、同室開始。
夫は家事とにゃんたちのお世話に昼間一度帰宅する。
はー、自分から産まれ娘、不思議な感じ。
けど、かわいいよう。


