先日歩いてた時のこと。

おっきな通りとその歩道の間に植木とか並木とかあるよね。

あそこから雀がさ、ぴょんぴょん出てきた。

歩くおれの足のそばを一緒にぴょんぴょん。

蹴りそうになっても飛ばないんだ、いや飛べないんだな。
まだかなり小さい子供の雀。

夕暮れ時で買い物の主婦や会社帰りの人で結構人通りあるんだ。

危ないから足で植え込みの方に行かそうとしたり、手で包んで草の中に入れたり。

でもどうしても歩道に出てきちゃう。

しばらく踏まれないようにかばいながら見守ってた。

買い物帰りのおばちゃんが「あら~かわいいわね~巣から落ちたのかしらね~」。

「ほんとのおっかさんじゃないと育てられないのかね~」。

見回すと普通に大人雀は辺りにいるんだけど、彼らにはどうしようもないみたい。

おばちゃん「お兄ちゃん持って帰って育てらんない?」。
無理ですね。

そう簡単に命は預からないと決めてますから、と心の中でつけ足した。

しばらく二人で雀の子を見守ってた、なんともやるせない気持ちで。

雀の子は植え込みとは逆側のフェンスの隙間からバス会社の敷地にはいっていった。

バスのタイヤに潰されなければいいが、
大人雀たちが導いてくれたらいいが、
早く飛べるようになればいいが。

仕方ないので行きましょうと言っておれとおばちゃんは逆方向に歩き出した。

振り向かないように数メートル進んだ頃、後ろから声が聞こえた、とてもよく聞こえた。


「ひかれるんじゃないよ~~!がんばって生きるんだよ~~!」

おれはその声に驚く通行人たちの顔を想像した。

タオルで汗を拭いた。

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