おとといの8月31日(月)に映画を見てきました。これで、ギリギリ「毎月1本は映画を見る」という目標がどーにか達成されました(ちなみに、7月は「インサイドヘッド」と「バケモノの子」の2本を見ました)。

さて、バケモノの子の感想を…。

と思いましたが、こちらは比較的多くの方がご覧になっている可能性が高いので見ていなさそうな方(おとといみたやつ)について語りたいとおもいます。



まず、見た作品は

「日本のいちばん長い日」


という、第二次世界大戦の終戦直前のお話です。

ほんとは終戦記念日に見に行きたかったんですけど、忙しく、また(土)だったので混んでると予想しやめました(おそらくはお年寄りが多いかとは思いますがね)。


さて、内容を簡単に紹介します。

1945年4月に発足したのが鈴木貫太郎内閣です。天皇の侍従長も経験した人です(侍従とはお付きの人、そのトップが侍従長)。次の総理を決めるとき、昭和天皇は信頼できるのは彼しかいないということで、この内閣が発足しました。物語はここから始まります。ちなみに、彼が侍従長のときに、天皇の警備をする隊のリーダーが阿南惟幾(あなみこれちか)で、この内閣の陸軍大臣です。

※当時と現在では存在する省庁が違います。もちろん、今は陸軍省も海軍省もありません(今あるのは防衛庁ですね)。


そして、ナンヤカンヤあり、1945年8月にはいると

3つの大きな出来事が日本を襲います。
①広島に原爆投下(8/6)
②ソ連の対日参戦(8/9)
③長崎に原爆投下(8/9)



??? ①と③はともかく、②は大きな出来事なの? そんなんです。これは大事件です。実は日本はソ連と「戦わないよぉ~」ということを約束していたんです。な、の、に、ソ連はそれを裏切り参戦してきたのです。この瞬間日本は一匹狼となりました。相手は60数ヵ国です。

それを踏まえると勝ち目はなさそうですよね。そこで、ここでもまたナンヤカンヤあり、戦争をやめる(降伏する)方向に向かっていくわけです。

しかし、軍部の若い人たち(畑中健二など)は戦争を止めたくないわけです。彼らは「あと2000万人の兵がいれば勝てる」とか考えていたわけです(当時の日本国民は8千万人ほど)。こんなんしたら、日本が勝てても将来はありません。

ここで、なぜ彼らがそんなにも続けたいのか考えてみます。そこには2つの理由があると思うんです。1つは「(若さゆえの)熱気」。個人的な話ですが高校のときの体育祭で、騎馬戦をやったんですが、その時団長(まぁ、いわば大将ですよね)が、チームの人に「もし倒れそうになったら敵の騎馬もまきこんで倒れろ」と言っていました。もちろん彼の気持ちはわかります、勝ちたいから。でも、これって後半は特攻みたいなもんですよね。その点では、当時の軍人さんの気持ちもわからないではないかもしれません。

また、もうひとつの理由は、受諾するポツダム宣言のなかに、「軍隊をもたない」と書いてあることです。この事なら(一応)自衛隊は軍隊ではありません。この項目を含む宣言をのむと言うことは、軍人さんは皆一斉にリストラにあうのと同じ。つまり、自分の職にプライドをかけていたのでしょう。


そんなこともあり、彼ら(若手の軍人)はとある事件を考えます。


8/15の12:00に昭和天皇の肉声(=玉音)による終戦の詔勅(いわゆる玉音放送)が行われたわけですが、この天皇の話は録音だったんです。前夜に録音したものでした。内容は平たくいえば「もう、戦争はおわったんですよぉ~」というもの(堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍び… というあれです)。もちろん、これを放送した瞬間、戦争はおわりです。

でも、軍人は終わってほしくない。ならいっそのこと、この録音をパクって放送できないようにしてしまえばいいと考えたわけです(結果的に未遂でおわりますが)。これを「宮城事件(きゅうじょうじけん)」といいます。


そんなことが起きていたことなど、恥ずかしいながらまっまったく知りませんでした。



一方で、内閣では、戦争を続けるか終わらせるかという会議になります。鈴木総理は頭の良い方でした。あえて御前会議(天皇も出席しての会議)で、賛成反対が3対3になるように会議のメンバーを選びました。つまり、同点なので決まらない。そこで天皇の意見をきいて決めようとしたわけです。昭和天皇は、国民のことを考えて戦争をはやく終わらせたいとおっしゃいます。それによって終戦にいたるわけです。


そして、終戦したあと、天皇はマッカーサーのところを訪れます。 マッカーサーは昭和天皇が出向いた際、命乞いに来たのかと思いソファに座ったまま話を聞いていました。(し)「閣下、私以外に戦犯はいません。私は絞首刑になる覚悟は出来ています。八千万人の国民を助けてあげて下さい。国民の衣食住をどうか宜しくお願いします」それを聞いてマッカーサーは驚き、ソファ から立ち上がり陛下を抱きしめるようにして座らせ、(マ)「陛下は興奮していらっしゃるようだから珈琲をお出しして。陛下私に出来る事があれば何でも仰って下さい」と言ったそうです。それを聞いて陛下は泣きくずれ「国民の衣食住を重ね重ねお願いします」と仰いました。陛下のなさった事を当然と思う人もいるかもしれません。でもそれは私たちが日本人だからだと思います。こんな君主は歴史上昭和天皇だけ。海外ではたいてい我が身の安全だけを考え亡命する。戦争の悲惨さと共にこの自己犠牲とも言うべき精神は次世代に伝えていくべき。



この映画はクオリティとしての個人的な感想はあまりいいものではありません。それこそ「NHKの特番でよかったのでわ?」と思うふしもあります。まぁ、俳優さんの演技はさすがでしたので、その点では映画かも。しかし、なにより見て良かったと思うのは史実に触れることができたと言うことです。過去から学ぶことの大切さを(個人的にではありますが)痛感できた素晴らしい映画だったと思います。



さいごに、役所さん演じる阿南陸相は「日本人は勤勉な国民だよ。きっと復興する。」とおっしゃいます。

日本人は、堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍んできた日本国民だからこそ、今様々な形で危機にひんしても何度も立ち上がる、そんな強い国民だと思います。9月1日は関東大震災のあった日です。これももう爪痕が見えないほどです。



改めて、天災で亡くなられた方に御悔やみを申し上げるとともに、戦争でなくなられたかたに慎んで哀悼を捧げたいと思います。





これからの日本がより良い国になりますように。


そして、是非「日本のいちばん長い日」を見てみてください。


(これ、ちゃんと感想になってるのw?)


そら