息子の脳腫瘍のことを語る上で、

書かないといけない。


色々思うところはあるけれど、

F先生の存在なしに今の息子がいないのは確かで、

それは良くも悪くも....


息子の脳腫瘍を宣告された2022.1.6


助からないと言われてなんの知識もない私が唯一思いついたのは、

昔テレビで見たF先生に助けを求めることだった。


神の手、と呼ばれた先生。

それが脳外科医だったかどうかさえあやふやな記憶の中

検索をかけたらすぐにヒットした。

ホームページからメールを送った。

内容は、

息子の年齢、

助からないと言われて先生しか思いつかなかったこと、

それ以外に何をどう書いたか覚えていない。

連日メールや手紙が届くから返事はいつになるか分からない、来ない場合もある、といったようなことが書いてあったと思う。

緊急性が高いと判断したら、連絡が来る、というように理解した記憶がある。


メールを送ったのは夕飯の時間くらいだった気がする。

夜遅くになって電話が鳴った。

連絡をもらったことに安堵し、

それだけ緊急性が高いのかと絶望し、

それでも次の日に関連する病院で診てもらえるように手配してもらえたことにホッとした。


結局鹿児島→東京と移動することになったけれど

腫瘍摘出してもらった先生だ。

あの時受け入れて貰えなかったら、ただアタフタして震えて泣いている間に息子はいなかったと思う。

だから、受け入れてくれたこと

手術してくれたことに感謝している。

その気持ちは本当で、

有難いと思っている。



F先生は心底、

神の手、だと信頼し、

100%の感謝を持っている患者さんがたくさんいる。


ここからは、

私と息子の場合、であって他の方に当てはまる、わけでもないし、

批判でもない。

F先生に手術してもらって術後問題なく過ごせた方が多いからテレビにも取り上げられていたんだと思うし、その人たちにとっては紛れもなく神の手だろう。


けれど、脳外科に関わらず、

相性や、

考え方や、

設備や環境や、

その下につく医師の能力や....

ほんとに色んなことが合わさってる。


神の手、が自分にとって、

神の手、であるとは限らない。


脳腫瘍だけじゃなく、

どんな病気であっても、

自分が実際経験しないと、

せめて関わってみないと、

いやせめて本当に関わった人の声を聴かないと

分からないことがある。

なので、

この投稿が、誰かの役に立つように、

せめて、判断材料の一つになるように。


地元の病院で、

遠回しに助からないと言われて、

その言葉の呪縛に取り憑かれていた私に追い討ちをかけるように、


難しい場所の腫瘍だから

日本でこの手術が出来るのは私しかいない。


というF先生の言葉に、


この先生にしか助けられない、

この先生に見放されたら息子はもう助からない、


そう思い込んだ。

だからギリギリまであの病院から離れる決心がつかなかった。



確かに、息子の腫瘍は難しい場所にあって、

その手術の経験が少ない医師では無理なものだったと思う。


けれど、実際

今の病院のA先生は息子と同じ腫瘍の手術をずっとしていた。

それ以外にも、日本に、出来る先生は何人もいた。


テレビの影響力はすごくて、

私はF先生が日本で1番の脳外科医だと信じて疑わなかった。

自分しかできない、という言葉に疑問を抱くことさえなかった。



F先生が本当に自分しかできないと思っていたのか、

他にできる先生を知らなかったのか、

できる先生がいるのを知っていたけれど言わなかったのか、

わからない。


分からないけれど、

実際いた。

しかもそれは、病院に不信感を持ち始め、

ブログ検索をしてすぐに見つかった。

同業者ならきっと、

知っていたと思う。

F先生が他の先生のことに無関心だった、としても

周りの先生たちはきっと知っていたはず。

それでもF先生が1番だと心底思っていたのか、

他にもいい先生いますよ、なんて立場上言えなかったのか。



息子が本当にもう死にそうになって、

私がもう転院する!となった時、

当時の主治医が連絡を取った病院は今の病院のA先生と、

もう一つ、脳外科の先生が有名な病院だった。



その2つに連絡をした、ということは

やっぱり知っていたんだと思う。


なら、もっと早い段階で、

せめてここでは無理だと思った段階で教えてくれなかったのか。


F先生に頼んで、

手術してもらって入院している息子を、

ここでは、私では無理なので他の病院に、とは言えなかったのだろうな、と思ってしまった。



もっと、患者が

よりよい環境で最善の治療が受けられるように、

連携を取ったり、共有したり、

プライドとかなしに、

患者第一でまわるようになればいいのに。



助かるはずの命が失われることがないように。



今私たち患者側が出来るのは、

遠慮せず、とことん聞いて、

他の人の意見も聞いて、

自分の目で耳で確かめて、

正しい道を選択するしかないのだけれど。