突然、息子が脳腫瘍だと宣告され、
悩む暇もなく入院、闘病となった。
2022.1.6-2022.11.24までの1年弱。
そのうちの約6ヶ月を付き添いで入院で過ごし、
最初の4ヶ月は私も外へ出ることは出来なかった。
助けてもらえると信じて入院したS病院。
一般病棟にいた約2週間は
1人の若い看護師さんを除いては、
あまり寄り添ってもらえなかった。
その後HCUで過ごした3ヶ月。
HCUにこんなに長くいる患者はいないから、
徐々に看護師さんとも打ち解けた。
何人か、
仲良くしてくれた人はいて
その中でも副主任のSさんは私の中で1番大きな存在だった。
明るく元気で、
私より少し年下、
患者には優しく、
看護師には厳しい、方。
私のことも気にかけてくれ、
看護師さん用の休憩室でシャワーを浴びれるようにしてくれたり、
あざができるくらい痛い簡易ベットに患者用の掛け布団を重ねて、私が少しでもゆっくり寝れるようにしてくれたり。
気になることを聞くと、
丁寧に答えてくれた。
息子の状態が全然よくならなくて不安な私にとって、
Sさんがいることで少し不安が和らいだ。
息子の誕生日前には、
こっそり、ケーキはなにが好き?と聞いてくれて、
誕生日当日にサプライズで息子にケーキとプレゼントを用意してくれて(私にまでプレゼントをくれた)
他の看護師さんや主治医と一緒に祝ってくれた。
長い入院で何の楽しみもない息子に、
何が食べたい?と聞いてくれて、
ラーメンをUberしてくれて、
こっそり取りに行ってご馳走してくれた。
(食べていいかは主治医のOK済)
私も、ずっと病室に閉じ込められて、
息子と同じ病院食を食べ(夕食のみ)
ただ、病室でパイプ椅子に座って1日を過ごす毎日で、
元気にしているようで疲れ果てているのも分かってくれていて、
出勤の時は、毎回、担当でなくても顔を出してくれ、少し話した。
ずっと入院していると検温や、採血、
点滴交換、
体調確認、
そんな業務的な話と、
主治医と毎日一瞬だけの体調確認。
それが基本でそれ以外は、
電話で母と旦那と話すくらい。
それも内容は、
体調や治療のことばかりで、
息子と一緒にいるのに何もできない私にとって、
息子の体調が悪い時、
母や旦那から
なんでやろ?
とか、
先生はなんて言ってる?
とか聞かれるだけでしんどくて、
Sさんと、普通に話す時が1番心が落ち着いていられた。
Sさんがお休みの時に息子の状態が急変し、
半ば強引にセカンドオピニオンでJ医科大に突撃し、
次の日に転院となった。
転院の日
朝からSさんが出勤だったので
すみません、
急に、
すみません。
よくしてもらったのに.....
という私に、
お母さんが◯くんのことを思って決めたことだから、
それが正解、
と笑ってくれて、
最後の最後まで息子に付き添って転院のための救急車まで送り届け、
そのあと私に、
向こうに行ったらまたバタバタしてシャワーも浴びれないかもしれないから
ゆっくりシャワー浴びてから行ったら?
と声をかけてくれ、
そのあと私が病院をあとにするときも、
フロアのエレベーター前まで見送ってくれ、
笑顔で送り出してくれた。
Sさんの存在がなければ、
私は潰れていたかもしれない。
患者とその家族にとことん寄り添い、
後輩看護師からはビビられるくらい厳しかった。
患者のため、を第一にしてくれた本当に
看護師!
という人だった。
いつか、
S病院に行く勇気が出たら、
Sさんに会いたい。