ちょうど、去年のゴールデンウィーク、

息子の記憶力など、

リハビリでなんとか改善されるものはないのか?と思い、高次脳機能障害の拠点病院である県内のリハビリセンターへ連絡を取った。


コーディネーターの方と先に一度話がしたく、

私1人で会いに行った。

その上で息子の高次脳機能障害の検査をしてもらうことを決め、予約をとった。

予約は一ヶ月以上先で6月。


医師の診察で今までの経緯を話し、

息子は事前検査?簡易検査へ。

その間に私はまた医師に呼ばれ診察室へ。


経緯を再度細かく聞かれた後、

貰った画像を見る限り、大脳にも多少浮腫があるので、障害が出ているでしょう、と。


そんなこと主治医からは聞いてなかったのにな。

浮腫とかは脳外科ではないのかな?

画像解析専門の人じゃないと分からないのかな?

もやもやした。


息子は疲れてフラフラでなかなか検査は進まなかったようだ。


来週、結果を私が1人で聞きにくることにして病院をあとにした。


1週間経って、

簡単な結果を聞き、

夏休みにWAIS検査を受けることになった。

体力的に厳しいので2日に分けて、と。


その時、

医師から、

大学の試験を受けて単位を取れるのか?

大学を諦めて就労支援という選択肢もある、というような話をされ、

そこまでなのか?

そんなわけがない。

普通に生活出来ている、

後遺症はある、

多少問題はある、

それでもそこまでじゃない。


そんなことを聞きたくて検査を受けにきたんじゃない、 

リハビリで回復するなにかがあるなら少しでも改善したいからどこがどうなのか知りたかっただけだった。

こんなことならそのまま気づかないふりをしてる方がよかった、

とここに来たことを後悔した。


7月に入って、

大学で保護者会があり、希望者は担当の先生と個人面談ができる。

申し込んで、個人面談でこのことを伝えた。


私は息子を見ていてそこまでだとは思っていない、

体力的に試験を最後まで受けれない、などで単位を落とすことはあっても学力でそれはないと思っている。

先生から見て、大学での息子はどうですか?

と訊ねると、


そんなことを言われましたか?

私は専門が福祉なので高次脳機能障害に関しての知識はそこまでないけれど、

十分単位を取れると思っています。

心配してません。


と答えてくれた。



もちろん、大学は義務教育と違って、

出来なければ単位は貰えない。

そこは、病気を理由に特別に単位をあげましょう、とはならない。

けれど、

息子さんは地頭のいい子ですよ?

病気で記憶が続かないなら、

忘れてしまうなら、

試験の前日に一気に詰め込んで試験を受ければいい。

どんな形でも試験に受かればいいんです。

息子さんなら十分合格点を取れるはずです。


と。


大学を諦めないといけないかも、なんて不安はこの時に吹き飛んだ。

共通テストの時、試験官だった縁もあって担当になってくれた先生のこの言葉に救われた。


その後は、

共通テストの時はほんとにもう、

棄権した方がいいんじゃないか、というくらいフラフラで立てなくて

あの時の息子さんを知ってますから、

ほんとによくなってますよ!

病気の影響があっても、頭の回転の早い、

面白い子です。

と。



8月に入って

2度に分けてWAISを受け、

結果は9月に私が受け取りに行った。


トータルでみると基準値内。

ただ、細かく見ると、

ガクッと低い項目、

逆に高い項目。


結果はわたしが感じていたこととほぼ変わらないものだった。


記憶力

遂行機能に多少の問題はある。


その他にも低いところはあったけれど、

複視の影響で図形がちゃんと見えなかったり、

脳とは別の問題なので私は気にしないことにした。


検査は一年後にもう一度受けてどうなっているか見てみることになった。


病気前の学力などでカバーしている部分は

下がる可能性もある、

目が良くなれば上がるところもある。

今の段階では

高次脳機能障害疑い、

障害者手帳の申請も今の段階でもできる、

就労支援相談も可能、

企業には障害者雇用枠もあると言ったような内容を、検査を担当してくれた方から説明された。


今の息子に、障害者手帳の話はしたくない。

息子のメンタル的に、今それは

もうダメだ、とマイナスの要因にしかならない。

なにより、

精神障害者手帳というネーミング、

どうにかならないのだろうか?

本人を余計に追い詰める気がする。


(この時大学の前期試験の結果は出ていたので)

大学の前期試験も全て受けて全て単位を取れた。

ギリギリの教科もあったけれど、AA評価もあった。

息子はきっとまだまだよくなる。

私はそう信じている。


本当に必要だと思った時

息子に話してその時はまた検査を受けて申請する、


と伝えて帰り、

息子には結果を見せた。


気にしていた息子は、

いいところ、よりも

わるいところ、に目がいき、

落ち込んだけれど、

退院してまだ一年経ってないよ?

上等やん!

目が治ったらもっとよくなるやん!と声をかけて

終わりにした。