「そろそろ、広報やPRをちゃんとやったほうがいい気がしている」
そんな相談を受けることが増えました。

 

発信の必要性は感じている。
でも、いざ文章にしようとすると、手が止まる。
何から話せばいいのか、わからなくなる。

 

この状態で、よくあるのが
「とりあえず、うまく書いてくれる人を探そう」という動きです。


でも、ちょっと待ってください。
気持ちは、よくわかります。
ただ、ここでひとつ整理しておいたほうがいいことがあります。

 

広報・PRを外注する前に必要なのは、
完成された言葉ではなくとも、「何を語ろうとしているのか」が、
自分たちの中で、ある程度わかっているかどうか。

 

たとえば、
・なぜ今、それを発信したいのか
・何が変わりつつあるのか
・これだけは誤解されたくない、という感覚

こうした“未整理だけど大事な部分”が、
頭の中や、会話の端々にあるかどうか。

 

逆に言えば、
うまく言えないけれど、考えてはいる。
話すと毎回少しずつ表現が変わる。

 

 

その段階まで来ていれば、
外注する意味は、十分にあります。

 

広報・PRを外注する、というのは
「文章を作ってもらう」ことではなく、
語りを一緒に整理する相手を持つということ。

 

だから私は、
今の語りの状態を確かめるため、まず聞きます。

 

言葉になっていない違和感。
まだ説明しきれていない判断。
そのあたりに、広報の芯が眠っていることが多いからです。
自分たちでは見えていない、気づいていないということが
往々にしてあります。

 

整ってから頼む、ではなく
整えるために頼む。

 

 

 

広報・PRは、
完成形を預ける仕事ではなく、
途中経過を共有する仕事だと思っています。

 

言葉が揺れているのは、悪いことではありません。
何も考えていない状態より、ずっと健全です。

 

 

 

あとは、それを
一度、外に出してみるかどうか。

 

その一歩を踏み出せるかで、
広報の質は、大きく変わっていきます。

広報・PRの相談を受けていると、
よく聞く言葉があります。

 

「社内で何度も話し合っているんです」
「ちゃんと考えてますけどね」

 

たしかに、考えていないわけではない。
むしろ、真面目に向き合っている会社ほど、
この状態に陥りやすいと感じます。

 

それでも、言葉が定まらない。
語りが揺れる。
発信するたびに、少しずつ違う表現になる。

 

 

なぜか。

理由は単純で、
社内にいると、自分たちの言葉のズレが見えなくなるからです。

 

長く同じ環境で仕事をしていると、
多少表現が違っても、意味は通じてしまう。
「まあ、同じことを言っているよね」で流れていく。

 

でも、それはあくまで内側の共通認識です。

外に向けた広報・PRの文章では、
その“微妙なズレ”が、そのまま違和感になります。

 

・何を大切にしている会社なのか
・どんな判断軸で動いているのか
・何が他と違うのか

 

ここが言葉として整理されていないまま発信されると、
受け手は毎回、別の会社の話を聞いている感覚になります。

 

社内では通じる。
でも、外では伝わらない。

 

 

 

これは、文章力の問題ではありません。
視点の問題なのです。

 

自分たちの言葉を、
一歩引いた場所から見直す視点がないと、
「どこが揺れているのか」そのものに気づけない。

 

 

私は、広報・PRの仕事は「文章を書く」ではなく、
語りを整える」だと思っています。

 

インタビュー取材でも同じです。
本人にとっては当たり前の言葉ほど、
一度立ち止まらないと、輪郭が見えてきません。

 

外の人間が必要なのは、
正解を教えるためではなく、
ズレをそのままにしないため。

 

「この言い方、前と少し違う」
「ここ、まだ語りきれていない」

 

そうした違和感を、
違和感のまま差し出して、整える。

 

 

広報・PRの文章が強くなるのは、
言葉を足したときではなく、
言葉の軸が定まったとき。

 

社内だけで整えきれないと感じたら、
それは能力不足ではありません。
構造的に、外の視点が必要な段階に来ているだけです。

 

 

外へ伝える「語り」は、閉じた場所では完成しないのです。

 

広報・PRの文章で、
「語れていない状態」が続くと、何が起きるのか。

それは、発信するほど、会社の輪郭がぼやけていく、ということ。

情報としては間違っていない。
文章も、ちゃんと整っている。
それなのに、印象が残らない。

それは、語れていないまま言葉を外に出しているからです。

語れていない状態のまま発信を続けると、
毎回、少しずつ違う説明になります。
少しずつ違う言い回しになります。
少しずつ違う価値観が混じります。

その結果、何が起きるか。

受け手の中に、
「この会社は、こういう会社だ」
「この人は、こんな人だ」
という像が、いつまで経っても定着しません。

広報・PRは、
一度の反応を取る仕事ではありません。
言葉を重ねて、信頼を蓄積する仕事です。

語りが定まっていない状態で出した文章は、
どれだけ数を重ねても、
いつも初対面のような発信に。

これは、プレスリリースでも同じです。
新商品、新サービス、イベント情報。
事実を正確にまとめることは当然必要です。

けれど、
「なぜ今なのか」
「この会社は、どんな判断軸で動いているのか」
ここが語れていないと、
情報は流れて終わります。

結果として、
情報を出しているのに、反応が薄い状態に陥ります。

語れていない状態が一番厄介なのは、
間違っていないからこそ、
修正されないまま積み重なっていってしまうことです。

毎回同じ言葉を使うことが、
「語れている」ということではなく、
いつでも芯がブレずに言葉を選べることだと思っています。

そこが定まっていないまま出した広報文は、
数を重ねでも、会社を印象づけることは難しい。

広報・PRは、
「出すこと」と併せて
「積み上げること」が大切。

自分たちがどこまで語れているのかを
今一度、確かめてみませんか?

広報・PRの文章は、
どこまで語れているかで決まる。

 

前回、そんな話を書きました。
では、私が思う「語れていない状態」とは、どういうことか?

 

これは、嘘をついている状態のことではありません。
間違った情報を出している、という話でもない。

 

むしろ厄介なのは、
全部、事実としては合っているというケースです。

 

たとえば、
人によって事業の説明が少しずつ違う。
言い回しや強調点が変わる。
何を大切にしている会社なのか、微妙に表現が揺れる。
その場では違和感がないから、気づきにくい。

 

どれも、間違いではない。
でも、芯が定まっていない。

広報やPRの現場で見る「語れていない状態」は、
こうした言葉のブレとして現れます。

 

 

インタビュー取材でも、同じことが起こります。
質問にきちんと答えているのに、
話を重ねると、輪郭がぼやけていく。
言葉は出ているのに、
何が一番伝えたいのかが見えなくなる。

 

それは、多くの場合、
自分の中で整理されないまま、
言葉だけを外に出そうとしている状態です。

 

 

プレスリリースも同様です。
新商品や新サービスの情報を発信していても、
整理しないまま言語化していると、
発信を重ねるほど、会社の印象がどんどん散らかっていきます。

 

情報は正しい。文章も整っている。
それでも、受け手からすると
「結局この会社は、何がしたいんだろう」
と止まってしまう。

 

広報・PRは、
一発の反応を狙う仕事ではありません。
言葉を積み重ねて、
信頼をつくっていく仕事です。

 

言葉が揺れている状態で発信を続けると、
毎回ゼロから話をすることと同じ。
伝えているつもりでも、正しく蓄積されない。

 

 

私が広報・PRやプレスリリースの仕事で気にしているのは、
その文章が今回うまく書けているかではなく、
半年後、1年後も語れているかどうか。

 

語れている状態とは、
一言一句、言葉が固定されていることではありません。
それは、芯がブレない表現ができていること。

 

その芯があれば、
インタビュー記事でも、取材記事でも、
プレスリリースでも、広報PRの文章でも、
言葉は自然と一本ラインが生まれます。

 

広報・PRの文章は、
芯ある語りの積み重ねで、強さが決まるのだと思っています。

 

 

事業のこと、会社のこと、
どれだけ語れていますか?

 

商品やサービスの説明はできる。
実績や数字も、聞かれれば出てくる。


けれど、「なぜこの事業を続けているのか」「何を大切にしているのか」を、

自分の言葉で語れているかと聞かれると、
少し言葉に詰まる。言葉が定まらない。
広報やPRの相談を受けていると、そんな場面に出会います。

 

広報やPRに関する仕事で、私が確認しているのは、
まず、「どこまで語れるか」です。

 

これは、インタビュー記事や取材記事のライティングと、構造は同じです。
表に出ている情報を整理して文章にすれば、それなりに整った原稿はできます。
けれど、それだけでは、広報としては弱い。

 

プレスリリースを書くときも同じです。
新商品や新サービス、イベントの告知。
事実を正確にまとめることは前提として必要です。


ただ、読み手の心の動きを左右するのは、
「なぜ今それを出すのか」
「この会社は、どんな判断基準で動いているのか」
という背景の部分です。

 

そこが曖昧なまま文章を整えると、
無難で、どこか他人事のような広報文になります。
情報としては正しいのに、印象に残らない。
そんなプレスリリースは、決して少なくありません。

 

 

広報・PRのライティングは、文章力だけで決まる仕事ではありません。
経営者や担当者が、普段は意識せずに使っている言葉や判断を、
一度、立ち止まって言語化する必要があります。

 

私はそのとき、
「この表現は正しいか」よりも、
「この言葉は、その会社の感覚に合っているか」を見ています。
インタビュー取材で培ってきたのは、
言葉を足す力よりも、言葉のズレを見つける力でした。

「この言い回しは、ちょっと違う」
「ここは、まだ語りきれていない」
そうした違和感を拾い上げることは、
現場で直接話を聞き、感じなければできません。

 

 

広報・PRの文章は、会社の外に向けた“顔”になります。
だからこそ、
どこまで語れているかが、そのまま文章に表れる。

 

インタビュー記事も、取材記事も、
プレスリリースも、広報PRの文章も。
私にとっては、すべて同じ延長線上にある仕事です。


言葉を整える前に、
まだ言葉になっていない部分に目を向けること。

 

 

広報・PRの文章は、
どこまで語れているかで決まる。
私は、そう考えながら、この仕事に向き合っています。