人には優しい気持ちで笑顔で接する。
どこかで聞いたことがあるありふれた言葉ですが、年齢を重ね、そんなシンプルな事が何より大事なのだと思うのです。

例えば重い病の告知を受けた直後、例えば新しい治療に不安が募る朝、例えば大切な人とのお別れや大きな失敗をした時、そんな、心に負荷がかかった時は、いつも以上に心はダメージを受けやすくなっています。

いつもの自分なら気にならない事や、軽く流せる出来事に大きく動揺したり、人の小さな意地悪に深く傷付いたり、必要以上に落ち込む事は、誰にでも有り得る事に思います。

そんな時にこそ些細な優しさや笑顔がいつも以上胸に響き、救われたりするのですよね。

その日の私は少し色々な葛藤を抱え、何年かに一度訪れる大きな転換期を迎えた直後で、気力を失い心が少し迷子になっておりました。

この日は抗がん剤治療を終え、副作用や病気の進行の事が少し頭を掠める中、調剤薬局にお薬を頂きに寄ったところ、そこの薬剤師さんが、とても素敵な笑顔と優しい声でで話しかけて下さりました。


わずか数分間の会話に凄く癒されて、何だかそれだけの事でとっても元気になり、小さな不安の種は吹き飛んでいました。

残ったのはほんわか温かい気持ち。


もう会う事もないかもしれない他人の小さな親切、細やかな思いやりは私の心をカイロのように温めてくれたのです。


その事を有り難く思いつつ爽やかな気持ちで帰路に着けました。


自分も親しい人、そうでない人に関わらず、
接する人には、いつも笑顔で優しい気持ちを持ちたいなと改めて思いました。

人は人生の中で、自分の心に自分で灯を灯せないくらいに疲れきったり、傷付く事もあります。


今日言葉を交わす人は、元気そうに普通にしてるけど、もしかしたら深い悲しみや苦しみを抱えているかもしれない、そんな時、誰かの気持ちを不用意き更に曇らせるのではなく、小さな灯を灯すような人で在りたいと思うのです。