すなのうた

すなのうた

皺のあるシャツと
皺のないシャツ






古い服をたくさん捨てた午前

ちょっとあけた窓から

マイナス12度の空気

雪は青いので喉がかわく

ゆっくり唾を呑みくだして

じぶんの鼻をつまむ

黄色い格子窓に

紙が降りつもるように

愉しそうに笑って

光って

空気中で凍って

白樺の息よ

昨夜の湯たんぽのあたたかさを

鼻がさがしている


髪を染めた午後

染まった指先にはチョコレート色の愛

不確かでも

四つ足がさわぐ春の土色

これからというおおきな函に

頬擦りするのは

わたしの髪をさわれるひとの

冬の蝶のような手触り