初めて入院した病院の部屋は、外の日差しが差し込み穏やかな部屋に見えた。穏やかな入院生活が始まると思いきや、数日で一転した。


火災報知器を押してしまい、即座に独房のような保護室に入れられたのだ。和式のトイレ(確かボットン式)に、薄い布団が引かれただけの狭い暗い部屋。分厚いドアに閉ざされていた。私は初めのうち抵抗したかったのか、頭をドンドン分厚いドアにぶつけていた。看護師は、「やめなさい」と言っていたが聞く耳を持たなかった。結局頭が痛くなりやめた。


食事はドアを開けずに届けられるようになっていた。ちゃんと食べていたのか食べていなかったのか覚えていないが、お腹を空かすことはなかった記憶があるので食事は食べていたのだろう。


夜寝る時になると同じく保護室に入れられた人が奇声を上げだすので怖かったが、睡眠薬のお陰かちゃんと寝れていた。


時間も日にちも分からないまま、何日か経って私は保護室を出られたがあまり初めての入院生活の事を覚えていない。


唯一覚えてるのが、知らないおばさんに「あんた飯田圭織ちゃんじゃないのかい?」と本気で間違えられた事くらいだ。


後に医大病院へ転院する。その後も過酷だった。でも楽しいこともあった。


続く