最近、読み始めた本は『発達障害かもしれない大人達』
著者は精神科開業医の先生なのだけど、すごく読みやすくて解りやすい。
著者のクリニックは、SPECT検査などの種々の検査をもとに、発達障害の診断をしているようです。
大人の発達障害(発達障害であることに気付かず成人してしまい、社会生活において生きづらさを抱えている人達)は、少なくないのに、大人の発達障害をきちんと診てくれる病院は多くない。
以前読んだ本は『発達障害に気づかない大人達』だったかな。
これを読むと、この本に出てくるケースが「自分と同じだ。」とか「自分がいっぱい登場している。」と思う人もいると思うんですよね。
さらに、自分の上司・同僚や友人・家族などが、本の中の発達障害の事例と重なる人も多いでしょう。

「医療従事者の50%近くが、実は発達障害だったりするんだよね。僕もそうだし。」
これ、私の主治医の言葉。妙に納得しちゃったんだよね。
50%近くという数字がどうなのかはわからないけど、たしかに看護師になってから『発達障害に気づかない大人達』の上司や同僚に多く出逢ってきた気がする。
ことにナースは、発達障害のタイプによるけど、発達障害をかかえる大人の職業としては適しているという見方もあるらしい。
ただ、個々のケースにより、働き方(夜勤の有無やシフト制など)は考えないと、オーバーヒートを起こして適応障害に陥ってしまう危険性があるらしい。
発達障害・・・すごく興味深い。
学生の時や某市役所臨職の頃に勉強したのだけど、もう少し勉強しなおしてみようかな。

どちらの本も、すごく読みやすい本なので、興味があっても、興味がなくても、読んでみると面白いかもしれません。
もしかしたら、あなた自身がこの本の中に登場するかもしれませんよ。
(ただ、自分の問題に「もしかしたら」と疑問をもっていないと、本を読んでも自分の問題に気付けない可能性はありますが・・・)
また、「あの人って、どうしてああなんだろう。」って思ってしまうような、『関わりに困る人』や『特定分野の仕事の処理能力が著しく低い人』などなど、あなたの周りの「発達障害に気づかない大人」や「発達障害かもしれない大人」との関わりについてのヒントが詰まっているかもしれません。
私も、もっと早くに読んでおくべきだったと思う2冊です。


(2011.05.23)

誤解を生じかねないので追記します。

今回紹介した書籍ですが、この2冊の本の内容全てを称賛するつもりはありません。

どちらの書籍も、内容に対して様々な疑問が残ります。内容の全てに納得はできません。

『発達障害の治療本』ではなく『発達障害について知る。』というスタンスで読むことをお勧めします。

そのスタンスで読んでみると、解りやすい書籍だと思います。

発達障害は『完治させる』ではなく『上手に対処できるようにする』と考えたほうが良いと、私個人としては思いますので、書籍の内容の全てに納得できるわけではないのです。

また、あくまでも最終的な診断は専門家がすべきものであり、この書籍を読み、周囲の人や自分を勝手に『発達障害だ。』と断言してしまうことも、好ましくないと思っています。

安易に、決めつけてしまうことの危険性をわすれてはいけないと思います。

参考程度に読んでほしい書籍です。

書籍に記載されている奨励などと似ていると思う人でも、発達障害であるか否かを判断するのは、専門家だということを忘れないでください。