おさんそれが男の甲斐性やと 波打つ心を抑え込み 渡す紙入れ 心なし 常より軽い悔しさに 出かける背中に腰を折り 胸の涙は飲み込んで 涼しい眼もとで店を見る 小春に、寄り添う女の真 同じ女の息苦しさに 底に通じるけなるさを 気付く妻の座もの悲し