叶わんなぁ

 

紫陽花に水をやりながら 恵三は先ほどの菜穂子とのやり取りを思い出していた

菜穂子は長年連れ添った妻である

子供に恵まれなかったせいもあって、どこか娘気分が抜けない

その菜穂子が最近演歌歌手を気に入ってまるで追っかけなのだ

仕事に追われる身であれば、多少の気晴らしはこちらも歓迎なのだが・・

 

一緒に行かない? 行って欲しいのよ~

 

演歌は別に嫌いでもないが、以前見に行ったとき眠ってしまいへそを曲げられてから懲りて行かなくなった

それが今回は行ってくれと無理強いするのだ