本気で応援団と向き合った4年間。

---
 この度は、上智大学応援団第64代幹部の引退ブログをお読みいただき、誠にありがとうございます。今年度、第64代団長兼チアリーディング部長を務めております、木暮柚花です。
 はじめに、日頃よりご支援、ご協力をいただいております顧問の川中先生をはじめ、OBOG会の先輩方、瀬戸先生、関係者の皆様、そして応援してくださる全ての皆様に、心より感謝申し上げます。皆様の多大なるご支援のおかげで、今年度も新たな挑戦をさせて頂きながら、実りある一年を送ることができました。
 さて、引退ブログを書くことは、自分の4年間と向き合うことでもあり、なかなか不安で書き出せませんでした。そして、同期のブログを読むたびに引退を実感し、現実逃避している日々です。拙い文章ではありますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
---

「誰かの突破口になる」
幼い頃から一輪車演技をやっていた私。チームメイトと手を取り合い、一つの演技を作り上げるスポーツが大好きでした。ある文化祭で見たチアリーディングの演技で、複数の人が力を合わせて作り上げる技や演技に心を奪われました。これこそ私が求めていたものでした。
 上智大学の合格発表の日、合格したこと以上にやっとEAGLESに入部できる喜びを感じ、帰宅中の電車で思わず泣いてしまったことを今でも鮮明に覚えています。


入部一年目のこと。
 やっとEAGLESの一員になれた嬉しさを感じながらも、練習をこなすことに必死で、目標などはありませんでした。大会のトライアウトを経て、CDチームで活動することが決まりました。一丁前に悔しさは感じていましたが、行動に移せず、先輩や同期に頼りきりでした。そんな状況から始まったチアリーディング部での日々でしたが、CDチームでの3ヶ月が、私にとって4年間の「原動力」となる経験でした。

「下級生だけでザウェイ・一気リバを成功させたい」

 コロナ禍を右往左往しながら、チーム練習が始まり、掲げた目標。小さな目標だったかもしれませんが、当時の私たちにとっては夢のような技でした。とある日、演技の中で一緒にスタンツを組む先輩がこう声をかけてくれました。

「私たちが、チームの突破口になろう。CDのみんなでもできるって証明しよう。」

 下級生だけが集うチームでどんな技ができるのか見当もつかず、憧れと不安が入り混じる中、少しずつ自分にも何かできるかもしれないと思い始めました。そこから毎日、グループで反省を送り合い、先輩にアドバイスをもらいながら自主練を繰り返しました。いつか上手くいく日がくると信じ、仲間と共に前進し続けました。

初めての「ザウェイ」成功の日。




 小さな一歩にすぎないかもしれないですが、本当に嬉しかった!
チームのみんなが一緒に喜んでくれたことが、何よりも嬉しくて、一生忘れられない日になりました。そして、CDチームの成果発表会の日、先輩方が涙を流してくれたことも、私にとって大きな励みでした。




 自分の技術不足を認めなければいけない日もあったけど、誰かの頑張る理由になりたくて、粘り強く続けたこと。嬉しいことも苦しいことも、仲間と分かち合う大切さを教えてくれた経験でした。今でも、悩んだ時は、CDチームを思い出します。

そんな経験を糧にしながら、2年生になってからは、より部活に貢献したいと思うようになりました。初めて応援を経験し、チアリーディングと同じくらい、もしかしたらそれ以上に応援が好きになりました。その後準幹部では、応援係を担当し、応援を作り上げる楽しさや難しさを学びました。

「頑張れ」の一言の重み




 応援に勝ち負けはありません。だからこそ、応援にいく時は声が枯れるくらい、全力で臨みました。試合を動かすくらいの応援、観客の皆さまを巻き込む応援を目指しました。大きな声で一生懸命応援し続ける部員の姿を見て頂ければ、観客の皆さまにも一緒に声を出して応援して頂けるのではないか。会場と一体化した応援が、選手の皆さんの励みになったらいいな、そんな気持ちで一つひとつの試合に全力を注ぎました。

選手の皆さんと勝利を喜ぶ瞬間
「応援団ありがとう、次回もよろしくね」と声をかけていただいた時
試合に惜しくも敗れ、悔しくて自然と涙が出た時

どの瞬間も、私にとって忘れられない宝物です。
沢山の感動と勇気を、本当にありがとうございました。


辛い時に、悩みに気づいて、誰かの力になりたい。
部活の皆んなに全力でチアを楽しんで欲しい、そのためにまず自分が頑張る。

 そんな思いで、準幹部では応援係を担当する傍ら、チアリーディング部のキャプテンを務めました。そして、最終学年となった今、団長を務めさせて頂いています。CDチームの先輩から受け継いだ「突破口でありたい」という思いは、絶対にぶらしたくない軸でした。しかし、現実はそう簡単ではありませんでした。

チームの全体最適を考えることで、どこかで何かを傷つけてしまうかもしれない。

 あんなに「想像力を豊かに」と大口を叩いていたのに、一番想像力に欠けていたのは自分だった、そう気付いた頃にはもう後の祭りだった日。明日が来るのが少し怖くて、自己嫌悪に陥った日もありました。周りを気にしてチアを楽しみきれなくなっていた時に、ある同期がこう声をかけてくれました。

「1人の部員として、’ゆず’ になりたい時は、いつでも肩の力を抜いていいんだからね。」

後先の結果ばかりを考えて、自分が純粋にチアを楽しむことを忘れていた。振り返るといつも自分が皆んなから励ましてもらってきた。チアの楽しさを思い出させてくれたのは、紛れもなくチームメイトのみんなでした。




最高のAチームだった。
2分半にかける思いが一つになる感覚。
構成を考えるところから、完成させるまで、1人では到底できませんでした。手を差し伸べてくれて、どんなに拙い仕切りでもついてきてくれた後輩、同期、先輩方がいた。

少ない人数の中でも、手を取り合って一人一人最大限の努力を重ねてくれたリーダー部・吹奏楽部のみんな。

私の力不足で辛い思いをさせてしまった後輩たち。それでも嫌な顔一つせず、練習に来て、大きな返事をして、一生懸命についてきてくれました。

初めて学生歌のミスに選ばれた日。自分のことのように、泣いて喜んでくれる仲間がいたこと。




「あなたがいるからチアしたい」

 ただの仲良しでなく、互いに寄り添い合えるチームを体現するために、それぞれが役割以上のことをこなし、時には本気でぶつかり合って。そして、表では見えないところでも、部の運営を支えてくれた同期たち。振り返ると、部員みんなが、私の「突破口」でした。


応援団に入らなかった別の世界線を羨んでしまったことは正直何度もありました。そんな風に思った自分を後悔しています。けれど、一度も辞めたいと思わずに、ここまで応援団を続けられたのは、応援団が大好きだと思えたのは、皆んなの存在があったからです。本当に、本当に、ありがとう。

 あの時の選択が、あの時かけた言葉が、正しかったのか。今でも正解がわからないことばかりです。だけど、良いことも悪いこともすべて、時間をかけてより良くしていく。我慢と歩み寄りを繰り返し、「これでいい」ではなく、「これが良い」を追求した4年間。

 上智大学応援団での4年間は、一生忘れたくない、これからどんな困難に直面しても、自身を励ましてくれる大切な日々でいっぱいです。

やり残したことはゼロではないけれど、
「誰かの頑張る理由になる」
そんな思いを持って最後まで、自分にできる最大限で応援団に恩返しをしたいと思います。


応援とは、誰かのためにあるもの。
 練習の準備や、係の仕事、誰にも気づいてもらえない自分の努力。これらもまた、誰かのために、チームのために、自分のためにあるものです。だからこそ、時には自分がなぜ応援団に入ったのか分からなくなったり、逃げ出したくなる時もあるかもしれません。でも、そんな時こそ、隣で一緒に頑張る仲間を信じてください。そして、そんな仲間に寄り添い、互いに手を差し伸べてあげてください。応援団の存在意義は、きっとすぐ近くにあるはずです。



上智大学応援団が、これから先もずっとずっと暖かく、みんなの心の拠り所となりますように。


最後にお世話になった皆さんへ

顧問の川中先生へ
準幹部時代から、どんな些細なことでもお時間を割いて相談に乗ってくださり、誠にありがとうございました。先生がステージ前で演技を見てくださる時は、いつも安心してパフォーマンスすることができました。先生と共に過ごした4年間は、第64代幹部にとってかけがえのない宝物です。卒団しても、沢山遊びにいきますね!今後とも応援団をどうぞよろしくお願いいたします。

瀬戸先生へ
先生の授業を受けた日から、応援団文化というものを初めて真剣に考えることができ、より一層、応援団が好きになりました。先生からいただくお言葉が、部員の励みとなっています。またいつかお会いできたら嬉しいです!


ご指導頂いたコーチの皆さまへ
私たちEAGLESのために、たくさんのお時間を割いて指導していただき、本当にありがとうございました。チアリーディングという競技の楽しさ、難しさを感じたとともに、もう終わってしまうことがとても寂しいです。これまで教えていただいたことを思い出しながら、インカレまで全力で頑張ります!


リーダー部の後輩へ
合宿で「ゆずか先輩元気ですか?」っていつも気にかけてくれたね。1人で入部してきて、ここまで応援団を引っ張ってくれてありがとう。口うるさい先輩だったかもしれないけれど、前向きに頑張る姿に私自身も奮い立たされていました。2年間、本当にありがとう。君のおかげで、最高の応援が届けられたよ!これからも、君にしかできない応援で応援団を支えていってね。

吹奏楽部の後輩へ
素敵なリズムと音色で、いつも応援団を支えてくれてありがとう。2人の成長を母のような気持ちで見守り、涙していました。これからの吹奏楽部を作り上げていく姿を楽しみにしています。同期と力を合わせて、頑張ってね!そしてこれからも、2人の想いを音色に乗せて、沢山の人の心に響かせてね。

リーダー部、吹奏楽部の先輩方へ
ご飯に連れて行ってくださったり、演技を観に来てくださったり、本当にありがとうございました。偉大な先輩方に、何度も頼ってしまいましたが、夜遅くまで相談に乗ってくださり、感謝してもしきれません。


チアの先輩方へ
準幹部時代から、たくさん練習に来てくださり、本当にありがとうございました。コロナ禍で先が見えない時期から今日まで、応援団を繋いでくださったおかげで、私たちがここにいます。先輩方を超えることはできませんが、超えられるように、そして恩返しができるように、最後の荒鷲と大会で全力を尽くします。

 
他大学応援団の同期へ
本当に、いつ見てもかっこいい連盟同期のみんな。たくさんの刺激をもらい、舞台袖から見るみんなの姿は本当に感動しました。自分が貢献できたかは分からないけれど、またどこかで一緒に会える日を楽しみにしています!


チアの1年生へ
次々と増える入部者の数に驚いたあの日を、今でも覚えています(笑)。そして、ずっと続けてくれてありがとう!人数が多い分、価値観や考え方も多種多様だと思います。だからこそ、意見をぶつけ合いながら、互いに歩み寄って、これからも切磋琢磨していってください。みんなの明るくエネルギッシュな「お疲れ様です!」が、私の元気の源です!


チアの2年生へ
準幹部の時に1年生だったみんな。頼りない涙もろいキャプテンについてきてくれて、本当にありがとう。ふわふわしている子もいれば、すごいギャルもいる(笑)。個性豊かな学年だけど、ここぞという時の団結力は計り知れないんじゃないかな。芯が強く、頑張り屋さんが集まる学年だから、自分たちの思いをもっと表現して、2年生ならではのEAGLESを作り上げてね。心から楽しみにしています!さみしいよおお!


チア3年生へ
一番時間を共にした3年生。周りをよく見て行動できるみんながいてくれたから、たくさんの困難を乗り越えられました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。人数が少ない中でも準幹部としてよく頑張ったね。みんなのおかげで、4年目に新しい挑戦をたくさん経験させてもらえました。これからも同期同士で助け合いながら、愛される応援団を作っていってください。楽しむ気持ちを忘れずに、大丈夫頑張れ!!


友人たちへ
忙しい中でも演技を見に来てくれて、「ず〜くんえらいよお!」と褒めてくれた学科や体育会の親友たち。みんなのおかげで幸せな4年間でした。
夜な夜な相談に乗ってくれたり、「尊敬してるよ」と言って応援してくれた地元のみんな。本当にありがとう。フットワークが重すぎてごめんね(笑) 社会人になってもよろしくね!


家族へ
いつも本当にありがとう。家に帰れば誰よりも褒めてくれて、味方でいてくれて、自主練にも付き合ってくれたね。22年間、一輪車や留学、どんな時も近くで伴走してくれた両親には感謝しかありません。演技も毎回見に来てくれて、いつの間にか私以上に応援団マニアなっていたね(笑)夢を追い続けるお兄ちゃん、最高のチアリーダーにはなれなかったけれど、これから兄孝行をたくさんさせてね。




同期へ

みんなを優しく包み込んでくれる最高の副団長ゆみの。何でも頼ってしまったけれど、最後の1年を一緒に駆け抜けることができて、本当に良かった。ありがとう!

視野が広くて、何でも気づいてくれた副キャプしおり。悩むことも多かったけれど、ずっとサポートしてくれて本当にありがとう。準幹部時代、また戻りたいな!

心の安定剤であり、良きライバルでもあるゆき。部活でも私生活でも、弱音を吐く私をいつも受け止めてくれてありがとう。ゆきの明るさには何度も救われました。大会頑張ろな。

芯が強くて、研究熱心なあかね。CDチームで初めてスタスポなしのスタンドが成功したやつ、あれ嬉しかったな〜!初めてのフリップも一緒だったね。あなた最強です。

最近は気づけば一緒にいて、青マットを一緒に駆け抜けまくってるあいな。懐が深くて、相談にも乗ってくれてありがとう。最後までやり切って、一緒に夢叶えようね!

めげないし、向上心の塊のゆうか。本当に尊敬しています。チームでゆうかと沢山スタンツを組めて嬉しいよ。最強のベースになれるように、まだまだ頑張るぞー!

相棒、ゆか。初めての「嬉しい」も「悔しい」も一緒に経験したね。ゆかの優しさと暖かさに、救われてる人が沢山いると思う。私もその中の1人です。EAGLES一のチアリーダー、ありがとう。

ポジティブにさせてくれて、憂鬱な日もきょんと話せば、悩みも吹き飛んだよ。同期思いのきょんがいてくれてよかった!!つられて泣いちゃうから、泣かないでよ〜?

課題に直面した時、いつも冷静で皆の道標になってくれた、りほ。楽器でも沢山貢献してくれて、本当にかっこよかったなあ。最後まで、皆んなを笑顔にしてください!

穏やかで落ち着いているひなこけど、ここぞというときの果敢さには、いつも勇気をもらってたよ。いろんなポジションを経験して、また一段と強くなったね。また今度、凸凹ベースやろうね!

何でもそつなくこなす、なほさん。その才能、少し分けてほしいくらい!チアリーダーの鏡です。大会練でもサポートしてくれて、後輩思いで、EAGLESを支えてくれてありがとう。

君がいると何でも解決してしまう、同期のバランサー・みすず。みすずロスだった、本当に帰ってきてくれて、また一緒にチアができて嬉しかったよ。みすずの夏構成、楽しかったなあ!

うーの強い責任感や何でも期待以上にこなしてしまう力、本当に尊敬しているよ。沢山の応援を作ってくれて、ありがとう。難しいこともあったけど、一緒に乗り越えて来れて良かった!応援、本当に楽しかったね!

「何かやることあるかー!」って、いつも声をかけてくれた、ちい。迷ったときには力になってくれて、一緒に考えてくれたこと、本当に感謝してる。大阪弁が恋しくなるだろうなあ。

また応援が一緒にできて、本当に嬉しいよ、きみ!一年生の頃は、全然話せなかったけど、今こうして沢山一緒に過ごせて嬉しいです。吹奏の演奏で踊る応援が、世界で一番楽しいです。

大きな声と太鼓の腕前で、団の大黒柱となってくれた、だいさん!ブログだからあえていつもしない呼び方で(笑)。荒鷲のリーダー部演技も、楽しみにしてますね!


みんなが同期でよかった。4年間、ありがとう。

やり切ろうね、楽しみ切ろうね!
私たちらしく!



ついに、明日は今年度の集大成となる「校歌講習会及び第62回荒鷲の集い」が開催されます。


64代の応援団が、思いを一つに全力を注ぐ演舞。
団員みんなの日々の努力が実を結びますように。


4年間のとびっきりの感謝を込めて、
これまで支えてくださった全ての方々へ、上智大学応援団へ、エールを送ります。

大好きです、上智大学応援団。

チアリーディング部4年 木暮柚花