右も左も分からなかった入学当初からはや4年。 
気付けば引退ブログを綴る時期になってしまいました。月日の流れは早いです。

ただ、あっという間に過ぎ去ったこの4年間も、振り返れば今までの人生で最も濃密で充実した期間であったと感じます。

 東京に出てきて、不安ばかりだったころ。当時の先輩方の華やかさや迫力に圧倒され、応援団として、またチアリーダーとして活躍してみたいと半ば直感的に入部を決めました。この団体に入ることができたのだから、私の大学生活も大層華やかなものになるだろうと心を躍らせたのを覚えています。

しかし現実はそう簡単なものではありませんでした。 
活動する中で最も印象深く、同時に試練となったのが自分自身のポジションとの付き合い方です。

 入部当初、私が振り分けられたポジションは人を持ち上げ、支えるベースでした。自分自身が低身⻑である事からやや驚きはしたものの、任命されたからには限界を決めずに頑張ろうと決意しました。しかし、どうしても周囲に身⻑面を配慮して貰わなければならない事から何の役にも立っていない事を痛感し、正直自分の存在意義が分からなくなる瞬間もありました。それでも何とかくらいつき、先輩に「ひなこの軸は立ちやすいよ」と褒めて頂けるまでになりました。



 苦戦していたベースも徐々に感覚を掴み始めたと感じた矢先。
1 年生の冬、大会にて三層の中間となるミドルに任命されました。 
スタンドもベースだった私には1からの挑戦でした。
 この大会では、もうベースとしての役割はなくミドルとしてのみ参加する形だったため、 この役目が出来るようにならなければ私が参加する意味はないと、当時の私は自分にプレッシャーをかけ続けていました。大苦戦しつつも何とか大会では役割を果たしましたが、大会が終わっても自分の活躍出来る範囲の狭さと技術不足を痛感し、ミドルのみという中途半端な立ち位置を懸念する日々でした。

2年
曖昧だったポジションがミドルトップに確定しました。 トップとしての練習はなにもかもが新しい挑戦でしたが、ポジションの不安定さが消えたこと、また次々に新たな技を習得していける感覚が新鮮でとても活き活きしていたと思います。私もやればできるじゃないか!と有頂天でした。



そんな浮ついた状態の私を神様は見ていたのかもしれません。
3年。技術面も精神面もどん底に落ちます。

 演技のための人入れを最終的に確定させる大事なサバイバルの際に、私の初歩的なミスにより三層の頂点から落下しました。幸い周囲も自らも怪我はなく無事でした。
 しかし、積み上げられつつあった自分の中での実績と自信が一気に崩壊した瞬間でした。ああやっぱり、自分は中途半端なんだ。 どのポジションにも向いてないんだ。居場所はないんだ。 折角みんなが考えて自分をこの構成に、この場所に入れてくれたのに。 やっと活躍できる場所を見つけ始めたのに。
サバイバルの最中であるにも関わらず、大号泣しました。周りの期待と努力に応えきれない自分が情けなくて仕方なかった。
 同時期に進んでいた大会練習でも、準幹部としての仕事でも、ミスをするたびに泣く始末。どれほど頼りない3年生だったかと思うと正直もう思い出したくありません。それでも当時は、自分の価値が分からなくなって、全て投げ出して応援団から消えてしまいたいと本気で思いました。



「泣きたいときは泣いていい。」 自分が練習の度に泣いてしまって羞恥心でいっぱいだった時、かけてもらった言葉です。
全てを肯定してもらえた気がしました。
自分の繊細さも、脆さも、恥ずべき事じゃない。
ここは、全てをさらけ出してもお互いを尊重できる人たちの集まりであるという事。成功も失敗も自分事のように分かち合える他にはない団体である事を思い出しました。 ここで最後まで全力で駆け抜けよう。
最大限自分の役目を果たそう。
みんなの努力に応える事が使命だと再奮闘しました。

 その後出場した大会では、全て成功する全乗せを達成しました。あの時演技の最後に見た景色と興奮は忘れられません。お互いがお互いを信頼し合い、高め合うことが出来る仲間たちと一緒だったからこそ、掴み取れた栄光であると心から感じました。



 応援でもチアリーディングでも、華やかに見える一方で、その裏には驚くほどの泥臭さがあると思います。これは技術面での努力として言える事は勿論ですが、自分や仲間と向き合う精神面でこそ、顕著に感じられるものであると私は思います。 信頼ってなんなのだろうと夜中まで考えたり。自信が喪失して絶望したり。
 それでも、その過程があるからこそ成功や勝利がより輝くのだと思います。応援団として、チアリーダーとして、人の心を動かす力を持てるのだと思います。決して気楽で楽しい大学生活ではありませんでしたが、この団体に所属したからこそ得られた経験、感情、力は、生涯の糧になると自信を持って言えます。
本当に、応援団に入る決意をしてよかった。



 最後に、簡単ではありますがお世話になった方々にメッセージを残して締めくくろうと思 います。

先輩方へ
常に努力を怠らない先輩方の姿勢にいつも感化されていました。 いつも前向きな言葉で私の可能性を引き出して下さったり、わずかな精神の揺れも見逃さ ずに声をかけて下さったり、どれほど世話になったか分かりません。応援団の魅力を、貪欲である事の大切さを、教えて下さり本当にありがとうございました。

後輩のみんなへ 
本当に全員がポテンシャルの高い素晴らしい人たちだと感心していました。 たわいもない事で笑いを共有出来たり、人生観を語ってくれたり、学年を感じさせずに接してくれたのが個人的にとても嬉しかったです。 明るく誠実で、人を思いやれるみんななら、応援団をもっと素敵な団体にしていけると確信 しています。どんな時も、どんな事があっても自分の可能性は無限大である事を忘れないで ね。

同期のみんなへ 
夏合宿、同期を表す一言は?に対して「程よい距離感」とか言って笑われましたけど、本当にこの距離感が心地よかった。全員が全員独立しているようで、本当に居て欲しい時は必ずそばにいてくれるみんなが大好きでした。弱みを見せても、受け止めてくれるみんなの懐の広さがどれほどありがたかったか。 ひとりひとり個性が爆発している学年であるという自覚はあるけれど、全員がその個性を尊重できる人格者の集まりなんだから素晴らしいよね。
この学年で良かったと心から思います。本当にありがとう!

両親へ
精神面でも技術面でも沢山のアドバイスとフォローをありがとう。 演技の度に東京に来てくれて、私以上に応援団の活動を楽しみにしてくれてほんとうに嬉しかったです。
2人の支えと寄り添いがあったからこそ、これほど満足な活動が出来ているのだと改めて思いました。最後まで熱中させてくれて本当にありがとう。最後の荒鷲の集いも大会も楽しみにしていてね。

友人たちへ 
私が部活の事を沢山話すからみんな大会のコールも応援歌も覚えちゃって、もう一緒に活動できるのではないでしょうか笑 みんなが演技見に来てくれたり、その演技で感動してくれたりしたのが嬉しくて、やりがいになって、ここまで頑張れました。いつも元気づけてくれてありがとう。



ここには書ききれない程、たくさんの方々の支えがあって今まで活動できたという事実に改めて感謝いたします。 応援団で培った力を自信に、経験を糧に、卒団まで全力で駆け抜けます。
4年間本当にありがとうございました。

チアリーディング部4年 ひなこ