皆さんこんにちは。
上智大学応援団第63代幹部の菅野遥です。

同期の引退ブログを読みながら、どこか先のことに思っていた「引退」の言葉が現実味を帯びてきていることに驚いています。

最後のブログではこれまでの4年間を振り返りながら上智大学応援団への感謝を伝えられればと思います。
まだ気持ちの整理もままならない状況で書き上げた稚拙な文章ですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

私が上智大学応援団に入団したのは偶然のようなものでした。
コロナウイルスの流行と共に迎えた大学1年生。
慣れないオンライン授業に苦戦しながらも、中学高校と創作ダンス部に入り部活中心の6年間を送っていた経験から、大学ではリフレッシュ程度にダンスを続けられる団体を探していました。
暇さえあればSNSで情報収集し、zoom開催の新歓イベントに参加する日々の中、なかなかしっくりくる団体に巡り合えず、時期はとうとう10月に差し掛かっていました。

入部締切を呼びかける団体のSNS投稿を見ながらサークルに入ることを半ば諦めていた時、ちょうどInstagramのおすすめ投稿に上智大学応援団EAGLESの写真が出てきました。

団のことはかねてより知ってはいたものの、体育会部活動であるために私の求めている大学生活に合う団体ではないと選択肢から除外していました。
しかし投稿を彩るキラキラとした先輩方の姿に惹かれ、これも何かの縁だとEAGLESの対面練習を見学しに行くことにしました。
当時のEAGLESは、コロナ禍により大学施設が使えないことから外部のスタジオを使って練習を行っていました。狭いスペースの中で柔軟や筋トレなど基礎練をひたすら行う姿はSNSで見ているキラキラとしたイメージとは異なるものでした。
しかし互いを鼓舞し合い、練習をみんなで盛り上げて作っていく姿はまさに演技の動画で見たチアリーダーそのものでした。
そして見ているうちに、中高で経験した地道な積み重ねを経た先にある達成感をまた感じたい、そしてその達成感はこの人達と感じたいと思うようになりました。
見学後、当時のキャプテンに入団したい旨を伝えに行きました。同期の中で唯一、入部締切後の滑り込み入団となりましたが、温かく迎え入れていただき、晴れて団員の一員となることができました。



何を選ぶのも優柔不断な私ですが、上智大学応援団への入団はほぼ即決でした。
あの時ここを選んで入団してくれた自分には感謝しかありません。

上記のような経緯で上智大学応援団を選び、駆け抜けてきたおよそ4年間は私のこれまでの人生の中で間違いなく最も濃く、またあっという間なものでした。
団員としての活動で「もう無理だ」と諦めたり、辞めたくなる瞬間は数多くありました。しかしその時踏みとどまれたのもまた、団の存在があったからでした。
そんな上智大学応援団の魅力、それは以下の2つに集約できると思います。

①心と体が1つになる感覚、そこから生み出される技の美しさを分かち合えること
②応援する側の苦悩や葛藤、そしてその先にある喜びや面白さを分かち合えること

①心と体が1つになる感覚、そこから生み出される技の美しさを分かち合えること
これは主に応援団チアリーディング部EAGLESとしての経験から感じられたものです。
先述の通り、私は創作ダンス部に6年間所属していました。
私の所属していた創作ダンス部はEAGLES同様、チームで構成を作りイベントや大会に向けて練習を行なっていました。
集団で1つの目標に向かって構成を作っていく過程はEAGLESの構成作りに似ていたかもしれません。
しかし、創作ダンスは最終的には個人努力に委ねられる部分が多く、テーマに合った踊り方の追求は自分の体と向き合っていく必要がありました。

一方、チアリーディングは最終的には本当の意味で構成に出る全員が心と体を1つにしていくことが求められました。
なぜならチアリーディングで繰り出される技はどれもその技に関わる全ての人の命を背負いながら繰り出されているからです。
学年の垣根を越えて互いが互いの違いを知り、歩み寄り合いながら1mm、0.1秒という細かい単位までこだわり尽くした技が完成した時の喜びは、何ものにも変え難い経験でした。



当然、上手く技を完成させることができず、悔しかったことも沢山ありました。むしろそっちの方が多かったかもしれません。それでも、どんな時も1人で抱え込むことのないよう、一緒に泣いたり悔しがってくれる仲間がいたから、苦い経験もバネに次に切り替えることができました。



「1人で頑張らない」
これはチアリーディングを始めたての頃に先輩方に沢山言っていただいたアドバイスです。
私にとってのチアリーディングの1番の魅力はここにありました。


② 応援する側の苦悩や葛藤、そしてその先にある喜びや面白さを分かち合えること

こんなことを書いたら団員に怒られてしまいそうですが、入団のきっかけがチアリーディング部EAGLESであった私にとって、応援はイメージが曖昧でチアリーディングの付属的な活動として位置付けられていました。

入団した直後はzoomでのオンライン練習がほとんどでメニューは応援練習ばかりでした。練習のモチベーションは先輩に褒めていただくことくらいしかありませんでした。
振りの完成度を上げることを目標にひたすら練習して学年が上がり、2年生には副応援係に就任させていただきました。
副応援係の主な仕事は1年生の育成でした。入団が遅れ、応援の見学にも行ったことがなかった私にできることは、正しい形とカウントで応援項目を教えることくらいしかありませんでした。
応援練習へのモチベーションを高められず、なかなか振りを覚えられない後輩の気持ちも痛いほど分かりましたが、自分が後輩にできることは何も見出せませんでした。
そして学年が上がり3年生、応援係となり自分が応援を先導する役職に就きました。
同じ役職の同期と応援へのモチベーションを高めるためにはとにかく応援の機会を作ることが大事だと話し合い、コロナ禍の制限がある中ではありましたが、できる限り応援依頼をいただけるように体育会団体さんへの声掛けやSNSでの応援活動を同期と共に始めました。

そして4月、始めての応援依頼をいただきました。
当時私の担当だった男子ラクロス部さんの新歓試合応援でした。試合当日に向けて下見や打ち合わせを何度も行わせていただきました。

上智の勝利が決まった時の試合光景、高揚感は今でも忘れられません。

この経験は、私の中で曖昧だった応援団の存在意義、そして面白さを教えてくれました。
当然のことですが、応援団が試合会場にいなくても試合は始まり、勝敗はつきます。
それなのに試合前の忙しい合間を縫って打ち合わせを行うことになってでも応援依頼をくださる体育会団体の方々は、我々応援団に何を求めているのか?
私はそこに自分たちの存在意義があるのだと思いました。

また60年以上続く応援団としての伝統を継承しつつ、その時の応援の目的や社会情勢に合わせて応援形態を変えていく柔軟性も求められる、そんな相反する側面を有する部分は応援団の魅力なのではないかと思いました。

これはコロナ禍で応援団の存在意義を見失いそうになるほど応援ができなかった代だったからこそ、見出せた魅力であったと感じています。

「自己満足にならない応援」これを追求した日々は私にとってとても輝かしい思い出として残っています。


長くなりましたが、応援団は私に新しい世界を沢山見せてくれた大切な居場所でした。
どんな時も受け入れ、感情を分かち合ってくれる仲間がそばにいること、そんな恵まれた環境の4年間は本当に幸せそのものでした。

最後に、

先輩方へ
これまで沢山の愛あるご指導をありがとうございました。
またコロナ禍で思うように活動ができなかった中、応援団の伝統や歴史を繋いでいただきありがとうございました。
EAGLESとしての活動も応援団としての活動も全てに妥協しない、優しくも力強い先輩方の姿はいつまでも私の憧れです。
卒団まであとわずかですが、少しでも近づけるように頑張ります。最後まで応援よろしくお願いいたします。

1-3年生へ
向上心の塊のような人ばかりのみんなは私にとっての癒しであり、また日々の練習のモチベーションでもありました。
応援団に入ってくれて本当にありがとう。
これから先大変なことも沢山あるかもしれないけれど、みんななら絶対大丈夫です。
一瞬一瞬を大切に、これからも楽しみながら応援団を盛り上げていってください。

同期へ
まずは4年間本当にお疲れ様でした。
恥ずかしいのであまり書きませんが、家族よりも長い時間一緒にいた同期がみんなで本当に良かったと心から思っています。
卒団したら会わなくなるのは寂しいからこれからも定期的に会おうね。
みんな大大大好きです。

他にも、常に私たちのことを気にかけてくださった顧問の川中先生、OBOGの皆様、学校関係者の皆様、そして応援依頼をくださった体育会団体の皆様、私生活を支えてくれた家族、友達、先生方など沢山の支えがあってこれまで活動することができました。
本当にありがとうございました。



大好きな上智大学応援団としての活動も残すところ2週間弱となりました。
この幸せを噛み締めながら、自分にできる最大の恩返しを込めながら最後まで邁進していきたいと思います。

改めまして4年間本当にありがとうございました。

チアリーディング部4年 菅野遥