こんにちは!
チアリーディング部4年の西川果穂です。


引退が近づいてくる中で「もう引退か」と思うことがあります。毎年先輩方が引退される度に「自分にはまだ時間がある」と思っていました。しかしそんな悠長な考えでいるうちにいつの間にか4年生の冬を迎え、とうとう私も引退という2文字が頭の中に浮かんでくるようになりました。



入団してからの4年間は本当にあっという間でした。しかし反対に、入団した頃を振り返ってみるとまるで何十年も昔のような、そんな感覚に陥ります。そう感じるほどに私が応援団で過ごした4年間はとても充実していました。歳をとるにつれて時間の流れが早くなっていくのは、毎日に新鮮さがなくなるからだと言いますが、この4年間は毎日が新鮮な体験で溢れていました。
人生で1番忙しく、しかし生き生きと輝いていた時期であると断言できます。



1週間のほとんどの時間を部活に費やし忙しくしている毎日も、部活の仲間と別れ際に「また明日ね」と言い合う毎日も、もう残すところあと2週間。大会の練習できつい、辛いと思いながらも、同時に心底楽しく幸せな日々を送っています。


さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからは私が応援団で過ごした4年間について少しずつ書いていこうと思います。長く拙い文章になってしまうと思いますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。



私が応援団チアリーディング部に入部しようと思ったきっかけは、フレッシュマンウィークでチアの先輩方の演技を見たことでした。初めて間近に見たチアの演技に私は心を奪われ、強く惹かれました。私もあんな風に何かに一生懸命になってキラキラと輝いてみたい、そう思いました。
しかし同時に人見知りで運動神経の悪い私には難しいだろうな、とも思いました。

私はもともとすぐに諦めてしまう性格なので、いつもならこの時点で諦めていたのではないかと思います。
しかし諦めきれないという気持ちと、自分を変えたいという思いも手伝って、勧誘をしている先輩に「興味があります!」と声をかけました。応援団ブースの教室に入ると先輩方がキラキラの笑顔で迎え入れてくださって、その瞬間に私は入部を決意しました。先輩方の笑顔が私を肯定してくれた気がして、心配はすべて吹き飛びました。自分にできるだろうか、という気持ちよりも、やってみたい!こんな風になりたい!という思いの方が勝っていました。

チアというスポーツに出会えて、大切な仲間と出会えて本当によかったと本気で思います。この時に勇気をふりしぼって先輩に声をかけた自分に感謝したいです。



私が4年間を語る上で欠かすことができないのが、大会とそれに向けたトライアウト、練習です。

1年生の時は大会のイメージがつかず、トライアウトの時には、誰と同じチームになるんだろう、仲が良い子と同じチームになりたいななどという能天気な考えでいました。ただ元来負けず嫌いな性格なので、全力で行いました。

私は幸運なことにCチームに入ることができました。先ほども書いたように私は運動神経は良くありませんが、10年間フラダンスを習っていたこともあり足腰の強さには自信がありました。後から考えてみると、まだ練習時間の少ない1年生だったので、技術力というよりも、もともと持っているこの足腰の強さと体格の良さ(単純に太っていました(笑))で点数を稼いだような気がします。



大会練習では今まで経験したことのない難易度の高い技に挑戦することが多くありました。3層の技に挑戦するのも大会練習が初めてで、私は真ん中のポジションであるミドルを任されるようになりました。普段の構成の中で見るミドルの先輩方がとてもかっこよく、私は密かに憧れを抱いていました。そのためミドルに選んでいただいた時はとても嬉しくて、これからの練習が楽しみでわくわくしたのを覚えています。

実際にミドルをやってみると想像以上に難しく、人の上に立って人を持つことの怖さ、責任の大きさを知り、やはり簡単にできるものではないのだということを思い知らされました。
それでもめげることはありませんでした。ミドルという憧れのポジションで演技ができることの嬉しさ、楽しさがそれを上回っていました。
ミドルの先輩やベースの先輩が付きっきりになって私のご指導をしてくださったり、みんなが「大丈夫」「がんば!」と言ってくれたり、技ができるようになる度にチーム全員で喜んだりすることが本当に嬉しくて楽しくて仕方がありませんでした。
今思えば、チームの誰かが新しい技をできたらみんなで自分のことのように喜び、できなくても見捨てず、できるようになるまで徹底的に指導し挑戦させてくれる環境があったから楽しく続けることができたのだと思います。
1年生の私たちがチアを好きでいられるように、チアを楽しいと感じられるように、先輩方が考えてくださっていたのだと思います。

しかし、やはり楽しいことばかりではなく、途中で大切な仲間を1人失いました。彼女は何度か練習中に倒れてしまい、部活を続けることが難しくなってしまったのです。私も辛かったですが、本人はもっと何十倍も何百倍も辛かったのではないかと思います。(そんな辛い思いをしたにも関わらず、彼女はEAGLESに戻ってきてくれました。)

そんな辛いことも楽しいこともあった練習を乗り越えて、本番に挑みました。本番中は今までの練習の辛かったこと、楽しかったことを次々と思い出し、幸せだ!という思いが溢れました。





結果は全乗せでした。
やり切ったという達成感と、楽しかったという思い、もうこのメンバーでこの演技をすることは2度とないのだという悲しみが一気に押し寄せ、みんなで笑いながら大泣きしました。大会の中継をするカメラマンがその現場をカメラに収めながら「カオス」と一言発しました。きっと側から見ると文字通りカオスな状況だったのだろうと思います。そのくらいにみんな感情を大爆発させていました。でもそれはみんなで全力でがんばったという気持ちがあったからだと思います。

大会練習と大会を通して、辛いけど、楽しい、それがチアだ、ということを学びました。辛かった経験があるからこそ、喜びが大きい。私はチアというスポーツが大好きになりました。



2年生のトライアウトの時には、より上のチームに入りたい!という思いが芽生えていました。
トライアウトでは大きな失敗はなく、実力を出し切ることができました。

そしてまた幸運なことに、私はBチームに入ることができました。チーム分けが発表された時は、安堵の気持ちとこれからのチーム練習へのわくわくでいっぱいでした。
しかし同時に不安もありました。近づくのさえ恐れ多いような、圧倒的な強さを持った4年生の先輩方もBチームにはたくさんいらっしゃいました。この先輩達についていけるのだろうか、足を引っ張ってしまわないだろうか、そんな不安がありました。

練習が始まってからは、これまでよりさらに難易度が高い技に挑戦することが多くありました。というよりも、全ての技が初めて挑戦するものでした。

初めの頃は、私たち2年生はついていくのに必死で、チーム練習を受け身になってやってしまいました。そのため、チアを心から楽しんで、もっと上を目指していきたい先輩方と気持ちの差が生まれてしまいました。
それでもずっとできないなりにがんばっていたから、先輩に「みんなのことがわからない、同じ気持ちで戦えている気がしない」と言われてしまった時にはかなりショックを受けました。しかし、そんな風に思っていることをはっきりと伝えてくださったことで私たちの中で意識が変わったように思います。もっとみんなでやっている意識を持って主体的に練習に取り組もうと決めました。


練習を積み重ねていくうちにできる技も、練習内外でのコミュニケーションも増え、しだいにBチームは私にとって(おそらくチームのみんなにとっても)家族のような温かい場所に変わっていきました。



大会まであと1ヶ月を切った時、1人の先輩が怪我をされ、全ての構成が変わりました。幸せは続かないということを思い知らされました。
正直に言ってしまうと、もうだめだと思いました。これまでがんばってきたことが全て無くなってしまった感じがしたからです。
しかし次の練習の時、チームキャプテンの先輩が「今までやってきたことは無駄じゃない」と言いました。この一言でみんなの心に再び火がつき、ぐっと距離が縮まりました。



構成が変わってから、私はいくつもの新しい技に挑戦することになりました。
334のミドルを降り、223のベースになりました。これまでミドルばかりやってきた私は、3層のベースに苦手意識がありました。それにも関わらず、通常3人で上げるところを2人で上げることになる、シングルステップをすることになりました。嫌だとは思いませんでしたが、迷惑をかけてしまうのではないかと不安になりました。
案の定うまくいかないことが続き、チームのみんなに焦りを与えてしまいました。それでも私もみんなも絶対に諦めないという気持ちで、何度も何度も練習を積み重ねました。





大会が近づくにつれ、大会への緊張も高まりましたが、それよりもこのチームで演技ができる機会はもう数えられるほどしかないのだという事実に胸が苦しくなりました。それほど私にとってBチームで過ごす時間は大切なものでした。


そして迎えた本番。2分半はあっという間に過ぎ去りました。残念ながら全乗せではありませんでした。それでも間違いなく人生で1番充実した瞬間だったと言えます。

全乗せではなかったけれど、16人で演技ができた喜び、やり切ったという気持ちが大きく、後悔はありませんでした。

強く、純粋にチアが好きだという気持ちを持った先輩方と、どんな苦しいことも共に乗り越え励まし合った同期と一緒に練習ができ、大会の演技をやり切ることができて本当に幸せでした。



今年、4年生で迎えた最後のトライアウトは、コロナ禍だったこともあり動画審査(ジャンプ・モーション・ダンスなどの平場は対面での審査)となりました。私は動画の提出期間に看護学科の実習があり、みんなよりも練習時間がとれないことや、平場も動画審査となったことでかなり焦りを感じていました。
トライアウトの動画提出まで毎日毎日必死に練習をしたのを思い出します。

結果的にAチームに入ることができましたが、今回が最後の大会となるため喜んでばかりもいられないという気持ちがありました。例年よりも練習時間がとれていないことで4年生を含めて全体の技術力が下がっていることに焦りを感じていました。

全体的に技の難易度を下げざるを得なくなりましたが、それでも多くのメンバーが初めて挑戦する技をたくさん構成に取り入れました。
練習が始まるとどんどん新しい技に挑戦していきましたが、私が思っていたよりもスムーズに進みました。私の心配は杞憂でした。
もちろんうまくいかないことや、失敗してしまうこともたくさんありましたが、コツを掴めると完成までが早く、つい先日、全乗せの演技をすることができました。

まだまだ私自身も全体でも課題が多く、完璧といえる演技には程遠いと感じます。あと2週間、どう過ごすかで良い演技になるかが決まってくると思います。
大好きなみんなとできる最後の演技、後悔の残らないよう残りの練習も1秒1秒を大切に全力でがんばっていきたいと思います。



私はチアが大好きです。こんなにも夢中になって、心から楽しんで何かをやったことはない、というほど一生懸命、全力でチアをしてきました。
嬉しくて泣いたのも、幸せだと感じて泣いたのもチアが初めてです。人生で1番楽しいと感じたのも、人生で1番悔しいと感じたのも、人生で1番焦りを感じたのも全部チアです。

「そんなに笑顔なの初めて見た」
「そんないい笑顔ができるんだ」
チアの演技をしている私を見た人からよく言われる言葉です。笑顔はあまり得意ではないですが、心から楽しいと思えるから自然と表情に表れるのだと思います。

先にも書きましたが、私はチアに出会えて本当によかったと思っています。もちろん楽しいことばかりではなく、辛いことも苦しいこともありましたが、それを乗り越えた経験はこれからの人生の糧となると確信しています。



最後にはなりますが、これまで支えてくださった多くの方々に感謝の気持ちを述べたいと思います。

先輩方
先輩方からは本当にたくさんのことを学びました。時に優しく、時に厳しく、本気で私たちのことを思って指導をしてくださいました。チアが大好きな気持ち、絶対に諦めないというプライド、全て先輩方から教わりました。永遠に私の憧れです。本当にありがとうございました。

後輩たち
本当はもっと仲良くなりたいと思っていたのだけど、そう思えば思うほど距離を取ってしまう自分がいました。それでもみんなの成長を心から喜んでいたし、一生懸命なみんなは眩しくて、私もがんばろうと思えました。これからもずっとずっと応援しています。

同期のみんな
抜けているところが多くて、みんなに迷惑をかけたり呆れさせたりしたことが多かったなと思います。いつも支えてくれてありがとう。
あと2週間、大好きなみんなと毎日顔を合わせることができる幸せを噛み締めて、大切に過ごしたいと思います。



そしてリーダー・吹奏のみんな、顧問の川中先生、コーチやOG・OBの先輩方。
本当にありがとうございました。


引退するその瞬間まで全力で駆け抜けたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

チアリーディング部4年 西川果穂