「処理水」問題について考えてみた | あくせくしたってはじまりませんぜ

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とか言いながら、けっこうあくせくしちゃってるんですが。
まあ、できればまったりと生きたいなあ。



いわゆる「処理水」の問題。

素人にはなかなかわかりにくく、いろいろ調べて勉強中。ということで、是非についてはここでは述べない。


「汚染水を流すな」「海を汚すな」という反対の声がある。

これについても、いろいろ読んでみた。これについても思うところがいろいろあって、賛否は保留するが、疑問がなくもない。

それは、2つの問題がごっちゃになっているのではないか?という疑問だ。


1つ目。

日本政府や東京電力の対応の不誠実さに対する批判。これに関してはその通りだと思う。従来の漁業関係者への約束が守られていない。だから、彼らのやろうというしていることは信用できないし、認めることができない。今海に流す以外に方法がないという議論はおかしい、という意見は理解する。


2つ目。

「アルプス処理水が安全というのはウソだ」「IAEAが安全性を科学的に認めたと言うが信用してはいけない」「他国の原発排水と福島の処理水は全く違って、危険な残留放射能が一杯含まれている」という意見。ここが素人にはなかなか難しい。ただ、多くの反対意見を読んでみたが、反対を主張する人もこの点について、必ずしも正確に理解しているとは思えなかった。大体が私と同様に文系の人で、どこかに書いてあった意見を受け売りしているものが多いし、その根拠となる意見が古い情報だったりもする。例えば「処理水に残っているのはトリチウムだけではない」という意見だが、確かに過去にそういう事実はあったのだが、その後、処理の仕方を改良しているのだが、その辺りへの理解や評価があいまいな意見が多く見受けられる。中には「正常な原子炉の冷却水は良いが、破壊した原子炉を冷やした水だから危険なのだ」といった初歩的な誤認に基づいた反対意見もあった。

こういうのは、一歩間違うと陰謀論にもなりかねない。

私も正確に理解しているわけではないが、「政府や東電が言ってるのだからウソに決まってる」という前提で科学的事実を語ろうとする傾向は危ういと思う。この点に関しては冷静で客観的な判断が必要だと思う。

明らかに政治的な中国の批判に同調しているとしか思えない意見も少なからず見受けられるのは気がかりだ。


コロナやワクチン問題でもそうだったけれど、この手の科学的な問題は難しい。

残留放射能に関しては、震災直後からいろいろ意見があって、専門家でも評価が分かれている。

ただ、この専門家というのも難しくて、理系だから分かってるわけでもない。

あるいは医師が必ずしも残留放射能の医学的影響に正確な知見を持っているわけでもない。

記事や報道をいろいろ読んでみたけど、経済評論家とか政治学者とかジャーナリストとか、そういう人の解説や記事が圧倒的に多い。

また、放射能や放射線の専門家でも、政府や電力会社に関係があるかないかも峻別するのはそう簡単ではない。

さらに穿った見方をすると‥‥

政府は「風評被害については、何年でもきちんと保障します」と言っているけど、どういう被害に、どういう基準で、どういう保障をするのかは全く不明確。

判定のハードルを上げて「これは風評被害とは認められない」として、全然保障しないことも予想される。

また、逆に、書類や形式さえ整っていれば、簡単に金をくれる可能性もある。

後者の場合、当然、これを悪用する人間が登場するだろう。

漁師の収入は低くて、ある統計によると「190万円~300万円」とあった。だったら「働かなくても金をもらえるなら」と考える人がいても無理からぬことだと思う。「なりわいを守る」という言葉もあったけど、みんながみんな漁師という仕事に誇りをもってやっているわけではない。

また、当然、漁業と縁もゆかりもない人間が、漁師に金を払って名義貸しをしてもらい、不正受給を画策することもあるだろう。「風評被害は儲かる」とか言って。(「福祉は儲かる」と言って劣悪な老人ホームを経営している不動産会社は星の数ほどある。ちなみにかのベネッセも老人ホームを作っている。)

あまり考えたくはないけど、これらの事象は必ず発生すると思う。