以前書いたように、居酒屋ネタ、麺類ネタは投稿見送りになるものが多いのですが、

一方、音楽ネタは投稿待機中のネタの山。 酒ネタが多くなったせいで、案の定これがさっぱり消化されず、その内にアップする旬を逃してしまったり・・・ ここらで

重要なアイコンを連発で行ってみます!

 

日本人も昔から大好きなフレンチ・ポップ、アートロックの夜明け前、ビートルズ

モンキーズを始めとするアメリカンポップとも渡り合い、欧米のヒットチャートを

席巻し、日本でも弘田三枝子や三人娘らポップスター達がこぞってこれをカバーして

ゴールデンタイムのTVヒット曲番組を賑わせていました♪

 

例えば・・・

シルビー・バルタン「アイドルを探せ」ですね♪ 

 

こちらの方も知らない人はいないでしょう!

「あなたのとりこ」とは上手く邦題を付けたものです♪

 

かつて彼女は交通事故で再起不能か言われた程の傷を負いましたが、80年代になると

ディスコブームに乗って見事に復活。 ただ、お気の毒にあの綺麗な顔立ちが・・・

 

フランス・ギャルの超お馴染みのこの曲♪ 弘田三枝子の方がずっと上手いですが、

この舌っ足らずのロリっぽさに世の男性はすっかり「あなたの虜に」

 

親み易い曲調、弾けたりちょっとセンチだったり、「シャンソン・イェ・イェ」とか

意味不明の呼ばれ方をされていましたが、いつまでも愛される名曲も多かったです。

 

その後もアイドル系のダニエル・ビダル、ロリロリ代表のジェーン・バーキン

男性では一応自称ロックスターのミシェル・ポルナレフ等・・・ 大人の世界を歌う

シャンソンとは趣が異なるフレンチ・ポップの黄金期がありました。

 

そして今は・・・

もうこの人しかあり得ないでしょう。 ミレーヌ様ことMylene Farmer !!!

 

今は、というか、90年代初めより今日まで、フランスは元より、仏語圏・非仏語圏

問わず、カナダ、欧州では絶大な人気を誇る歌姫! いや、完璧主義者の正に真の

アーティスト! 毎度アルバム発表後に行われる大ツアーや各音楽賞の表彰式の時

くらいしか露出せず、TVや雑誌のインタビューにも応じない彼女。 プライベートが

ベールに包まれた女神のような神秘性、女王のような立ち振る舞いからミレーヌ様と

呼ばれ、その生き様に魅せられ共感した女性が増殖することを「ミレーヌ現象」とも

表されているようです。 タイプは全く違いますが、日本におけるユーミンの如き

絶対的存在なのですね。

 

カナダ生まれの赤毛の彼女、80年代後半に、音楽芸術学校時代からのパートナーで

映像作家のローラン・ブトナー氏による楽曲提供、プロデュースによりデビュー。

その当時より、MTV等で流れる曲のイメージに合わせたPVの域を遥かに超える演出、

芸術性、ストーリー展開での長尺ビデを映像を制作。 この手法が見事に当たり、

美少年のような彼女の中性的なキャラと相俟って人気沸騰。 そして、儚くも妖しく

美しい世界観を描いた3枚目の作品”L'Autre..." (邦題:二重人格)で大ブレークを

果たします。

この妖しげなジャケですよね♪ 1991年リリース。

 

シングルカットされ大ヒットとなったこの曲。 ライブでも定番のハイライト曲!

この辺りはまだ、ユーロビートに乗った軽快なフレンチポップという感じですが、

退廃、絶望、同一性障害・・・そんな内容のことを歌っています。

 

そして、私的にはここからミレーヌデビューとなったこの作品。 95年リリースの

4枚目のスタジオアルバム”Anamorphosee”  更に退廃度が深化します。

 

オープニングのこの曲のPV。 歌手というより歌える女優ですね!

それにしても彼女のビデオ、ほとんどが最後に逝にます!

 

そして1999年!  この大傑作の芸術作品"Inamorament"が生まれます! 

仏教、東洋文明にインスパイアされたというこの作品。 精神、神秘の世界根ざした

内省的な詩の曲が並びますが、これまでの魔性・退廃性から母性的なイメージへと

変身しています。

 

では、先ずはオープニングのこの曲! このアルバムリリース後の大ツアーの模様を

納めたMylenium TourのDVDから。

これって、ジュディオングの専売特許!!!ですよえ♪ 研究したんかな?

 

映像は、同じくアルバム「イナモラメント」からですが、キリスト教の偽善と信仰を

描いたこの曲のPVはTV放映禁止となりました。

ドラム叩いてる人分かりますか? あの往年の名ベーシストAbraham Laboriel

息子、Abraham Laboriel Jr !  超売れっ子ドラマーで、ポール・マッカートニー

バックなんかもやってますよね。  

 

ライブのフィナーレを飾るにふさわしい曲♪ 

 

バックダンサーには”Midori”という日本人もいますよ。

 

このアルバム”Inamorament"はキラーチューンのオンパレード!その殆どの曲を

歌っているMylenium Tour DVDは必聴・必見ですぞ!!!

国内盤未発売。 輸入盤は色々あるようですが、リージョンコードによっては

パソコンでしか見られないのでご注意!

 

さて、このMylenium Tour発表後暫しの沈黙があり、05年 "Avant Que L'ombre"

08年”Point De Suture"と続くのですが・・・

 

元々ウィスパー系儚声のミレーヌ、一般的に言う歌唱力で勝負するタイプではなく、

ハイトーンの美声で独自の世界観を芸術的に表現して来ました。 そして、歳を

重ねる毎にその表現力に磨きがかかり、実際歌は上手くなっているとは思いますが、

パートナーのブトナー氏の作曲能力に明らかな翳りが。 コアなファン的には

コレクションは続けるものの、キラーチューンの不在、地味と言うか散漫な印象で、

もう自分が求める音楽ではないのだろうか?  90年以降のケイト・ブッシュに

対しても一度は思い至ったことがある「いつか通った道」

 

そして、2010年発表の次作"Blue Noir"では、遂にローラン・ブトナーと決別?し、

あのレディーガガのプロデューサーやらモビー君やらエレクトロポップ系の売れっ子

プロデューサーなどを招いて活路を見出そうとしますが・・・

やっぱり迷走してますね。 相変わらずPVの方は芸術点満点で話題性も◎ですが。

 

そして2012年、またローラン・ブトナーが復帰し、初の英語タイトルとなるアルバム

"Monkey Me"をリリース!!! 遂に路線変更でアメリカ市場に打って出るのか???

 

オープニング曲のオフィシャル・クリップです♪ 

 

歌は上手くなってます。 声質も年齢なりで良し! ただ、久しぶりにヒットを

狙いに行った曲なのでしょうが、何か巷に溢れるチープなユーロポップみたいな。

新たな若いファン層を獲得したと思います。 英語でも歌っているので、非仏語圏

での知名度も上がったのかも知れません。 まあ、しかし、これを聴くなら・・・

 

同じカナダ出身フランス人歌手というと・・・そう、セリーヌ・ディオンですね。

彼女の場合、圧倒的な歌唱力と英語力で、早くからアメリカ市場仕様で作品作りを

行って来た結果、現在の立ち位置を得ることが出来ました。 

 

一方のミレーヌ様、アルバム作品とビデオ映像制作、ライブコンサートを有機的に

組み合わせた戦略でフランス、仏語圏では30年に渡り、他の追随を全く許さない

揺るぎない地位を獲得。 フランスでは、外来バンド以外で8〜10万人収容できる

ライブ施設を満席に出来る唯一のアーティスト。 作品を出す度に本国だけで軽く

2〜3百万枚、仏語圏を併せて5〜6百万枚売れてしまうので、アメリカ市場に

進出する必要性が全くなかった訳です。 それが遂に・・・?

 

そして2015年! 方向性が余り窺えない消化不良な印象だけ残した前作でしたが、

このアルバムで復活の狼煙を揚げます! 

"Intersterllaires"   まあ、本人的には復活でも原点回帰でもないのでしょうが、

コアファン的にはやっと求めていた本来の姿かも。 それは、単に昔のような曲を

やってくれという願望ではなく、ミレーヌが吹っ切れて進化を目指している空気が

作品から感じ取れるならそれでOK !!!  次に大きな期待が膨らむというものです♪

 

何とスティングが曲を提供、デュエット曲です♪  

 

御歳55、まだまだこれから! シャンソンでもフレンチポップでもロックでもない

唯一無二のミレーヌワールド! 未踏の世界に向けて次作は是非、日本が誇る

チーム中田ヤスタカ&MIKIKOとのコラボで! あると思います!