走思走愛~THE REASON OF RUNNING~
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第一話 僕道

春です。桜舞う春です。新生活スタートする時。わくわくするよね☆。
「…………………。」
でも僕のモチベーションは最悪。心底憂鬱。始まる前から終ってる。
今日は海北高校の入学式。僕は車の助手席の窓から外を眺めた。そこから見えるのは紺のリボン、紺のスカート、まだ真っ白なブレザー。僕と同じ海北の新入生であろう女子生徒が、学校に続く坂道を自転車を押して登っている。なんて希望に満ちた顔だろう…。僕はこれから毎日この長く急な坂を登っていかなければならないと思うと益々憂鬱になる。
「…はぁ…。」
入学前から登校拒否になりそう……。       「何ため息ついてるの。ほら桜の木が並んで綺麗じゃない。見て。」
運転中の母が窓の外の桜を見ながら僕に言った。……前見ろよ。それでなくても運転へたなんだから…。
母は鼻唄交じりで運転を続ける。…なんも分かっちゃねぇ…。

『志望校は陸南高校です。』僕は保護者面談で担任にそう言った。
『今の学力なら十分手の届く高校ですよ。』担任はニッコリと笑ってそう言った。僕もそう思ってた。
でも落ちた。否、僕は試験を受けることすら出来なかった。インフルエンザだった。39度の熱にうなされ、苦しむなか、僕は望んだ道を断たれた。
僕は第二希望だった海北に受かり入学することになった。

僕の夢見た生活は消え、予備としての、代わりの人生の道を進まなければならなくなった。
希望も不安もない。ただ虚ろな道だった。

プロローグ

人は何かから進化したらしい。何だったっけ?そして人は手を使うために立ったらしい。四本足から二本足に。その時俺らは二本足で歩きはじめた。そしてやがて走り出した。何の為に?敵から逃げるために?獲物を追いかけるために?生きるために?…じゃあ俺は?何で走る?今風を分けて…何で走ってる?
あの頃はそんなこと一度も考えなかったんだ…。ただ走りたかったのか。単純に君の側にいたかったのか。だから…俺は思い出す。まだ「僕」と言っていた、俺の事を。そして君を。