忘れていた音2’ -5ページ目

コロナ禍

「黒のニット帽をかぶってきてくださいね」と、ぼくら2人組の相方の要望。12月17日、神保町にてぼくらの初ステージ。ユニット名も「ニット」にしようという。錦糸町での練習後にいつも行く喫茶店名から名前をとった。

 

誰でも2000円払えば、ステージに出られるというので、やりかけバンドのボーカルの女性が友だちのギタリストと出演すると言うので、相乗りさせてもらったというわけ。そのギター弾きさんと会うのは、3~4年ぶりか。

 

地下にあるライブハウスに降りていく階段の踊り場で、たばこを吸っている彼がいた。「ハッピーさん、コロナで影響ありませんか」という。彼の仕事は大打撃を被っているらしい。ライブハウスも大変なようで、「弾き語り大会」をやるから、と店から彼が誘われた。来年には店を閉めるそうだ。

 

「弾き語り大会」は、ぼくら世代の子どもたちよりも若い世代が中心。ギターのコードを間違えたり、歌詞を間違えたりして曲を初めからやり直したり、なんべんも曲の途中でつかえたりで、お世辞にも上手な演奏とは言えない。それでもオリジナルの曲をやっていた。そんなひた向きな姿勢には拍手を贈った。

 

ところが、このオジサンはというと、妙にあがってしまって、頭が真っ白な状態でステージに臨み、ギターのコードが分からなくなり2曲のレパートリーがあっという間に終わった。相方からにらまれる始末。

 

そんなデビューなので、愛想をつかされてコンビ解消か、と思ったが、「来年もよろしく」のメールが入ったので、安心したような、重荷を背負ったような複雑な感覚。

 

ぼくらの下手くそなライブの音源はなくて結構だが、12月23日、高円寺のライブハウスに大学の先輩のライブを観にいったので、その雰囲気をどうぞ。その先輩も、ステージが終わって一緒に帰る途中の話では、コロナで仕事が激減して大変なようだった。