こんにちは、本日千葉県外房は冷涼な風が吹き
雲が空を覆い太陽の光が大地を照らすことはありません。

先週タイから帰国後、鬱屈とした天候が続いています。

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雨が止み、雲間から夕陽が差し込む。
地球の恩恵を受ける幸運に感謝の念を覚える。

でも、そんな時だからこそ、
蒼い空、心地良く吹きぬける風、さまざまに形を変える雲☁️、霧、雲海と大自然の息吹を感じられるタイの天空の街、メーサローンをご紹介したいと思います。

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空模様が延々と変化し続けるメーサローンの天空。この地を統べし王女は今も魂となりこの地を守っている。

メーサローン(Mae Salong/แม่สลอง

メーサローンは、タイ北部・チェンライ県の山岳地帯にある小さな町です。
標高約1,200〜1,400メートル、雲海に包まれるその姿から、
天空の街」や「タイのスイス」とも呼ばれます。

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メーサローンの街の全景。山の頂きにシーナカリン王妃を讃えるワットサンティリギの仏塔が見える。

歴史と人々」

もともとは中国国民党第93師団の残留兵が移り住み、その後、雲南系の人々が多く暮らす独特の文化を育みました。

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メーサローン国民党資料館。第二次世界大戦後、共産党に敗れし国民党の一部がこの村を発展に導いた。


中国語が今も話され、雲南麺やプーアル茶の香りが漂う街並みには、
タイ・中国・少数民族の文化が溶け合っています。

また、この地にはモン族やアカ族など、山岳民族も多く住み、彼らの伝統的な衣装や手工芸が彩りを添えています。

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メーサローンの食堂にて。中国らしい雰囲気が過去の歴史を紡いでいる事を実感する。

シーナカリン王妃とのつながり

麻薬の原料となるケシの栽培で貧しかったこの地域に、
**シーナカリン王妃(Princess Mother Srinagarindra)**が深く心を寄せました。

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シーナカリン王妃がご逝去される前年に撮られた写真。眼の奥に佇む慈愛の心は今でも私たちを優しく包み込んでいる。

王妃は、薬草・お茶・果樹の栽培を支援し、
学校や医療、道路を整備し、人々に「自立の道」を開いたのです。

その慈愛の象徴が、丘の上に立つ
**「ワット・サンティリギ(Wat Santikhiri)」**や

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サンティリギの別堂。本堂の奥に鎮座し、人々の祈りを今なおシーナカリン王妃が受け止めといる。


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雲向こうに浮かぶサンティリギの尖塔。
王妃の祈りが、今も風に溶けていた。


**「ドイトゥン王妃プロジェクト」**です。

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天空の街、メーサローン。
朝靄をやさしく裂いて吹き渡る風は、
まるでシーナカリン王妃の微笑のように、
静かに、しかし確かに、この丘の上のすべてを包み込む。

ワット・サンティリギの金の尖塔が雲に溶けるころ、
私はただひとり、王妃の祈りの残響を胸に聴く。
その響きは風となり、空となり、
山の緑に宿る生命の鼓動と溶け合っていく。

王妃の愛は、いまもこの大地に息づいている。
モン族の子らの笑顔に、霧に濡れる花々に、
そしてこの空を仰ぐ者の心に。

私はこの風と空に抱かれながら、
王妃と共に生きる。
その慈愛に導かれ、
いつまでも――
メーサローンの光の中で。