ドクハラを受けた続きです・・・






私を傷つけたことに
ようやく気づいたドクターは

打って変わって
事務的に説明をし出した。




そして
薬がなぜか3種類も出た。





ビオフェルミン錠剤
大健中湯エキス顆粒
抗生剤






そんなに飲む必要があるのか?
と疑問に感じたけど
それをドクターに言う気力もなかった。





待合室に戻ると
主人が立ち上がって驚いた。




「どうだった?
どうしたの?痛いの?」


と。




体は大丈夫だけど心が痛い・・
とはさすがに言えない。





「傷の部分は何も言われず、
腸が癒着してて弱ってるから
しばらくお粥を食べなさいって。」




はてな?顔の主人。





主人「傷は大丈夫ってこと?」




「このまま様子を見るしかないって。」




主人「だって痛むんでしょ?」



「うん、でも仕方ない。」




主人「大きい病院を紹介してもらえた?」



「しばらくは必要ないって。」




診察中に、

「あなたは子供がいないから仕方ない」

と言われたことなど
とても主人に話せなかった。





というより、
その時点ではあまりに酷いなと思いつつ、
心を閉ざして無意識にガードしてたので
自分が傷ついたことには気づいてなかった。





会計を済ませ、

向かいの薬局に
処方箋を出すように言われた。


後で気付いたが、お釣りが500円足りなかった







薬局で3種類の薬を受けとる時に
薬剤師さんが
「お腹の調子が悪いのですね?」
と言われた。




私は反射的に「いいえ」と答えた。




だって別に下痢してないし
お腹も痛くない。




たまたまその日は
便が出てなかったが、
他に自覚症状は何もない。




「でも先生が私の腸が弱ってると仰って、
しばらく1週間程はお粥だけで、
おかず等の他のものはダメなんだそうです。
卵ですら禁止されました。」





薬剤師さんは、
それに対して特にコメントなしだったが、

主人が「どういうこと?どんな検査したの?
必要ない薬を出されてるってこと?」
と聞いてきた。







そして主人が
もう一度ドクターに言われた通り話して
と言った。


私の様子がおかしいことに気がついていた。






私は今度は端折らず
言われたこと起こったこと全てを
主人に話した。

淡々と・・・





でもお粥のやり取りを話すうちに
胸がまた苦しくなった。





「子供がいると思われるのは
当然の年齢だよね。
だからドクターはそう聞いたんだよね。
私がすぐにお粥って言えば良かったけど
言葉が出てこなかったんだ。

でも
“子供がいないならわからなくて仕方ないね”
って言われたの・・」





そこから涙が溢れ出し
止まらなくなってしまった。





泣きながらよくやく気がついた。




“そうか、私は傷ついたんだ。
泣きたかったんだ”

って。





「子供がいないのは仕方ないよね、
欲しいのに出来ないんだもん。
でも世間一般の人達には
そんなことどうでもいいことなんだよね。」





これまでの
長い長い不妊治療の日々、

次々と何度も味わった
苦しみの感情が沸き上がってきた。





普通は私の年齢なら
子供がいて当たり前。



医療に携わる人ですら
そう思うものなんだ。





そんな当たり前のことを
手入れられない私が悪いの?
子供がいない私が悪いんだよね?





そこまで言われてないのに
悲しみが、涙が止まらない。





ふと主人を見上げると
主人の目から涙が流れていた。



声を押し殺して泣いていた。



そして
「そいつに文句言ってやるよ」
飛び出して行った・・