脚本販売「風の市」 | デペイズマンの蜃気楼

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日々の想った事、出会い、出来事などなどをエッセイのように綴りたいなと。
時折偏見を乱心のように無心に語ります。

脚本販売第二弾は

「風の市」

1960年代の後半。
大阪の片隅の、ずっと片隅の生野区の、そのまた片隅の田島二丁目に
突然現れた
軍事政権の韓国からの密入国者。

故郷を知らない若き兄弟の元に
突然やってきたその男は
流暢な日本語で兄弟と、小さな町を混乱させる。


*****

幼い頃に
ある日突然
韓国から密入国者が現れては
ある日突然
消える事が多かった。
生きれない故郷から
生きれない異国に来て
生きれない国家に送り返される。

国家が圧力で隠した故郷での虐殺なんて
誰も知らなかった時代。

アボジは当時を振り返る時に言う。

「あの時、ここに来た彼らは、みんな沈黙してたんや」

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