妄想 | デペイズマンの蜃気楼

デペイズマンの蜃気楼

日々の想った事、出会い、出来事などなどをエッセイのように綴りたいなと。
時折偏見を乱心のように無心に語ります。

以前の話。



「ダークナイト」でヒース・レジャーが演じたジョーカー。
そのフィギアは上映終了から何年経っても次から次へと色んなパターンで色んな会社が出していて、早く手に入れないとすぐに販売終了してしまう。
そしてオークションやAmazonでは値段が上がり続けて決して値崩れしない。
数千円が数万円まで上昇していく。
そんな中で唯一値崩れするジョーカーのフィギュア。
ネカの1/4。
エンターベイ社製があまりにも高額なため、同スケールで発売が決定した時にはサンプルを見て色んなファンが期待したが、発売されるや否や、待ち望まれた期待を見事に裏切った。
サンプルとは似ても似つかぬ猿顔。



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僕も期待に胸を躍らせていたが、現品を見てすぐに落胆した。
以降、このジョーカーのフィギュアだけは見る見る値が下がっていって、今は定位置のプライドを保てる価格に収まってはいるが、一時叩き売りが始まるのか??と思うほどまで下落した。
それでも誰も手を出さない。
僕は日本橋を歩くたびに下がり続ける彼を見ながら「なんでこんな事になったんや…」と心の中で溜め息を漏らし続けた。
そんな面会を何回も続けていると同時に「ここが問題なんやな」「ここをもう少し修正したら、そう悪くもないんかな」と分析をしながらその顔を見つめていた。
発売から1年以上経って、検索した写真をiPhoneのアプリで修正してみたりして「あぁ、やっぱりここが問題やったんやなぁ」と、仮想整形をしていて遊んでいたある日。
ネット販売で無理なく購入できる価格まで下がってるのを目撃した。
よし!と意を決して一つ購入してみる。
それ以降はある程度までは持ち直したので、すごくタイミングが良かったのかも知れない。
で、届いた現品を見るとやはり映画とは似ても似つかぬ猿顔。
 
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実は正直、フィギュアの改造なんか一度もしたことないけど、エポキシパテを30年ぶりくらいに扱ってみる。
慎重にネカのプライドも崩さない程度にコチョコチョと慣れない手つきで修正してみる。

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大失敗こいても勉強代だと諦めれる値段で購入できたのが救い。
で、ごくごく微調整の改造で「お!?これは?」と思える出来栄えになった気が。
そんなに悪くないんじゃない?という整形ができた。
フィギュアを修正できる程度の技術を持ってた事に嬉しくなって写メを連写。
 
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で、いつもMayの音楽でお世話になってる小野さん家に当時の公演の音楽編集の件で行った時にウキウキしながら「小野さん、小野さん、ジョーカーのフィギュアを改造してみたんですけど見てください!」て調子こいて見せたら純粋に

「なにがどう変わったんですか?これ?」

と。
僕の中で「じゅわぁぁ~…」と鉄の熱がゆっくり冷めていく音がした。

やっぱり大人になりきれない個人の思い込みってそんなもんなのである。
大人の階段を一歩昇って、音楽編集の話を進めた。


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