自己嫌悪に陥りました
私なんか嫌いです
憎たらしい姿を映す家中の鏡と、
何もしてこなかったろと責める時計をたたき割ったのです
そんなことをしてもドウシヨウモナイ事に気がついて
ナイフを取り出して振り上げてみました
私に出来るのはそこまで、
昔々の魔法使いに、私は私を傷つけられないという呪いをかけられていたのです。
もう何をすればいいのか分からなくなって、
その魔法使いに預けられた箱を開けました
その中には一枚の手鏡と動物を模った折り紙が入っていました。
折り紙を開くとその中には
「この鏡には君のタイセツナコトが隠れている。だからよく探して御覧?」
頭に良い私にはすぐにわかってしまいました
「他のどんなものよりも大切なものは自分自身なんだ」
何という、子供だましでしょう
私はその手鏡を床に勢いよく落下させました
そうして鏡は大きな大きな音になったのです。
次は何を失くしましょうか
小さな部屋を見渡して、手頃な花瓶がありました。
きれいに芽吹いたつぼみも、きっと私の知らないうちに乾いていく。
それなら今のまま終わってしまったほうがいいと思います
さあお花を摘みにゆきましょう
床に広がる真っ赤な花弁
硬質な響きの痛みを踏みつけたようです
仕方がないので花園から足を抜いて、まだ暖かなベットに転がり込みました
私の下から花弁を一枚抜き取ると、真っ赤な滴が照らさせれこぼれて、ベットを飾り付けてゆきます
血のように赤い服でそれを拭いました
ランプの光を反射しながらそれは本来の色を取り戻しました。
何気なく覗き込むと、魔法使いがこちらを覗き込んでいました
「この鏡にはタイセツナコトが隠れている。だからよく探して御覧?」
魔法使いが言いました
「鏡は姿を映すもの。美しいものも醜いものもただその通りに」
「だから鏡そのものは答になることは出来ない」
「けれど、写すということが答えなんだ」
私は鏡を覗き込みました。
奥に、奥を、奥を、奥に
そうして私は何も見ることができませんでした。
『そういうことなんだ』
鏡はただ映すもの
どんなに近くで見ても、ただ虚像(わたし)がこちらを見つめ返すだけ
だからこそ私(私)はもう一人必要なんだ
誰かにみられてこそ私は私でいられるのだから
ブログネタ:漫画、小説、映像の台詞で一番インパクトがあったセリフ
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