最近読んでおもしろかった本(^^)


近代画家アンリ・ルソーの研究者2人が、1枚の絵に隠された謎を解く美術ミステリ。
美術館は好きだけど、ダヴィンチコードの挫折経験がトラウマで
美術ミステリにはなかなか手をだせず。

とはいえ評判がとてもいいので、文庫化を機に購入。
今まで読まなかったことを後悔するような読みやすさだった…!

マハさんの筆力としか言いようがないけど、文章を読んでこんなにも
登場人物たちの周りにある風景を想像できたのは初めてだったかもしれない。

小説のなかで登場する、ルソーの生きた約100年前の物語も、またおもしろくて。
個人的には、写実的な中世イタリア・フランス絵画が好きだけど
これを読んでからパブロ・ピカソやアンリ・ルソーの、前衛的絵画にとっても興味が出た。

私は美術館で絵画と向き合うとき、「この作品を通して作者は何を伝えたいんだろう」
というメッセージ性を必死で探してた。
でもこの本に出てくる美術館員は、作者の情熱や書いたときの環境、
絵の世界に入ったときの感覚を想像していて、こういう楽しみ方があるんだなあと勉強になった。早く美術館行きたい!

本としては、作中に出てきた作品の挿絵やポストカードが入ってればもっといいのにな…
権利とかいろいろ面倒くさいんだろう。
唯一印刷されている表紙の「夢」(アンリ・ルソー)からは、
湿気が肌にまとわりつく密林に、南国鳥の鳴き声が響き渡って
バナナやマンゴーのむせかえるような甘い香りが立ちこめてる空間が
見るだけで想像できるようになった。
気に入りすぎてデスクトップ画面に設定したら、比率がちょうどいいっていう。笑

読了後に「おもしろい!」と声を大にしていえる小説は久しぶり。満足。