杜子春と派遣社員
芥川龍之介の「杜子春」をご存じですか?
唐の都の洛陽の西の門の下で、ぼんやり空を仰いでいた杜子春を、仙人が現れ、幸せになる物語です。
主人公の杜子春は、金持ちの生まれで、両親が亡くなり、残った財産を湯水のように使ったので、ホームレスになりました。
まわりの人々は、杜子春がお金があるうちは仲よくするが、無一文になると、そっぽをむきます。
杜子春は仙人により、二度、お金持ちになりましたが、どちらも、お金を湯水のように使い無一文になりました。
三度目に仙人が現れた時と、杜子春は人間の汚さに、がっがりして、仙人になりたいと願いでました。それから仙人の修業を始めます。
以前、派遣切りにあった男性のドキュメンタリーがテレビでありました。
その人は、自動車の組立をして、給料もよかったのですが、もらった、給料をすべて、ギャンブル、お酒、タバコで、使いきり、今では、所持金が100円程度しかないと、言ってました。
食事や身の回りのものは、ボランティア団体の配給があり、どうにか、生きていけるそうです。
そのインタビュを聞くと、お金の使い方で、「杜子春」の物語を思い出しました。困っている皆様の事情は違いますので、一概に言えませんが、なぜ、貯金が出来なかったんだろうと思います。
ただ、給料が安く、貯金どころではない人も、たくさんいるでしょう。
彼らが、再就職でき、普通の生活が出来るように助けてあげる、仙人が現れる事を、祈っています。
