Rainy Cafe 〜①〜 | 林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜

林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜

作家の林瀬那です。

私が
描いた物語を載せてます。

本棚から本を手にするように
自由に読んで下さい。

よかったら
コメント欄に感想書いてくれると
すごく嬉しいです。

あのお店が

噂やネットで

密かに囁かれている

Rainy cafeだと知ったのは、

つい最近のことです。

 

あの後

もう一度行きたくて、

 

休みの日に

探しに行くのですが、

そんな時に限って

空は晴れていて

青空なので、

 

なかなか

見つからないです。

 

突然

雲ゆきが怪しくなり

嵐にでもならないか

なんて

空想したりするのですが、

都合よくは

いかないようです。

 

 

第1章

 

突然の雨が

降り始めた。

 

休日出勤の

打ち合わせが 

午前中早めの時間に終わり

「お休みだったのに

急に

すいませんでした。」

なんて

クライアントから

言われて、

少し嬉しい気持ちに

なっていたのに、

雨は

次第に強くなり

どしゃ降りになってしまった。

 

傘を持ち合わせていなく、

近くに

cafeらしきものが

あったので

走って入る。

 

扉を開けると

お店の人が

笑顔で迎えてくれた。

 

「雨

ひどくなってきましたね。」

紳士風の店主が

私に声をかけてくれた。

 

私は

雨で濡れた髪を手で払いながら

そっけなく

「本当

ついてないです。」

と答えた。

 

店主は

またも笑顔で

「素敵な雨の日に

ようこそお越しくださいました。」

と私に言ってきたので、

つい

「本当

もう雨なんて

嫌ですねー」

愚痴をこぼすように

私は言った。

 

笑う店主。

 

笑ってくれたので

安心したのか

私は

続けざまに愚痴る。

 

「雨なんて

好きな人もいないでしょうし

雨が降ると

それだけで憂鬱になっちゃいますよね。」

 

笑顔の店主は、

そっとさりげなく

タオルをかしてくれた。

 

 

「どうぞ

お使いください」

 

「あ

すいません

ありがとうございます

お借りします。」

手触りのいい柔らかな感触のタオルは

触った瞬間

上質なものとわかった。

 

 

カフェの中は

誰もお客さんがいなくて

カウンター席と

窓側の席があったので

天井まである大きな窓の

窓側の席に

ついた。

 

窓側の席は

みんな窓を向いているつくりだった。

 

 

---Rainy Cafe~②~へ続く---