仮想世界8 | +++ 三度のメシより ~腐女子の萌え語り +++

+++ 三度のメシより ~腐女子の萌え語り +++

※(18禁。ご注意ください)
声萌え 腐女子の萌え語りブログです。 中井和哉サマ、佐和真中サマ、内山昂輝サマ   絶賛応援ちう!


安心しすぎて、ものすごく眠い。
緊張が緩んで、ぐずぐずに溶けてしまいそう。

オレは隣に長々と寝そべるカレの腕に頭をつけた。

風が気持ちいいな。
さっきまでの刺々しい空気が
今はこんなにも優しい。


当たり前だと思っていたカレの隣は特別で。
そこを許されるのはオレだけだって、心のどこかで
安心しきっていたみたいだ。


この数日は辛かった。
カレが怒ってんのは、なんとなく、わかったけど。
オレのなにが、
カレを怒らせてしまったのか。

取り付く島がない。
その言葉通り、オレをよせつけない空気。
ワケわかんなくて。
毎日、ふとした瞬間にも思い悩む。



さっさと謝っちゃえば。
いや、オレ、なんも悪いことしてないし。
思考は右往左往。
謝るタイミングは完全に逃してしまい。


授業の合間に謝ろうとしたよ、オレだって。
声をかけようと息を吸い込んだ一つ早く
カレが席を立つから。
また、謝罪の言葉は飲み込まれ。


「…ぅ…」


カレが席を立つと
今度は誰かしらに捕まる。
宿題見せて、だの
昨日のドラマ観た?、だの。


返事も上の空なオレは
自然にカレの後ろ姿を目で追ってしまい。

なんか、楽しそうに話、してるな。


ゲラゲラ笑いながら。
オレなんか同じ教室にいないみたいに。

無視、されてる?
無視されるぐらいなら、
いっそ怒鳴り散らして
殴り倒してくれたほうがマシだ。

今まで一度だって。
こんなことなかったから。

オレの隣にはいつも。
いつだってカレがいたから。

カレと一緒にしゃべれない 時間。
カレと一緒にいられない時間。

考えたこともなかった。
オレの隣にカレがいないなんて。


緩く髪を撫でる優しい手。
気のせい、じゃない。
なんだかすごく、安心する手。
もう怒ってない、かな。

聞いてみたいけど。
もうなんだっていいや。
カレの隣にいることを許してくれるなら。



カレを好きでいても、いいのなら。




好き、なのかな。

オレ、ヘンになったのかな。
こんなにも、カレのことばっか考えちゃうのって。


ケンカなんて、よくあることだよね。
男同士なんだ、いつの間にかまたしゃべるようになって。
謝ったりしなくたって自然にさ。

何事もなかったみたいに。


だけど、オレには。
今度のケンカが、よくあるソレとは違う気がして。


このまま、自然消滅って感じで。
二人のカンケーが終わっちゃう気がして。

そんなの絶対イヤで。
元通りになりたくて。
だけど方法もわかんないし
呼び出したりする勇気もない。

カレが他のヤツと話してるのを見るたびに。
なんでオレじゃないの。
なんでオレじゃダメなの。



悔しくて悲しくて。


こんなに辛いのは初めてで。
詰め寄りたいのにそうできない。

悶々とした日々が続き。

考えすぎてどうにかなりそう。

もうヤだ。
ちゃんと話したい。
ちゃんと話して。
仲直りしたい。




昼休み、
カレは学食に他のヤツらと。
後をつけるオレ、ストーカー丸だし。

監視するみたいに
カレの行動を探る。

クラスメートをまくのに苦労して。


ナニヤッテンダオレ

心の声には耳をふさぎ。

昼メシを食べ終えたカレは
ツレと別れて中庭に一人。



ホッとしてる自分。
カレとオレの。
二人だけの場所に、
カレが他人を入れなかったことに安堵して。

その事実がオレの勇気を後押しする。

ダイジョーブ、まだ間に合う。
きっと、許してくれる。


芝生に寝転ぶカレにそっと近づいて。


オレはひとつ、深呼吸した。