仮想世界4 | +++ 三度のメシより ~腐女子の萌え語り +++

+++ 三度のメシより ~腐女子の萌え語り +++

※(18禁。ご注意ください)
声萌え 腐女子の萌え語りブログです。 中井和哉サマ、佐和真中サマ、内山昂輝サマ   絶賛応援ちう!

言うな。



鈴が転がるような耳に心地いい声が

俺の胸を掻きむしる。



俺じゃないヤツの話
俺じゃないヤツとの約束
俺じゃないヤツとの会話



嫉妬。
嫉妬かこれは?



俺の知らない世界があるのは当然で。
彼には彼の属する世界があるし
関わる人間がいる。



そんなこと知ってるさ。
頭ではわかってる。


ただ、



心が理解しようとしない。



その笑顔を
俺以外の人間に見せんな。


その声を
俺以外の人間に聞かせんな。



子供じみた独占欲を持て余し
自然に不機嫌になる俺に
彼は言うのだ。


「どうしたの今日。あんま寝てないの?元気ないねー」



覗き込む心配そうでいて
無邪気な瞳に
イライラしながら顔を背ける。


「別に」



「ホントに?なんか機嫌悪くない?」


なおも追いかけてくる瞳にガマンも限界。




「なんでもねぇつってんだろ!」



八つ当たりだ。
嫉妬に狂った醜い自分。



振り払われた手を
びくっと震わせて。


彼が小さな声でつぶやく。



「…ごめっ…」


おまえが悪いんじゃない。
悪いのは俺で。



凍った空気に堪えられずに。



震える彼を残して立ち上がる。


謝れ。
今なら間に合う。




「今からバイトだから」


ぶっきらぼうな言い訳。
免罪符になるはずもない言葉で
その場を立ち去る理由を告げる。



「…そっか…がんばって…」


声の響きで、彼が俯いたのがわかる。




ナニヤッテンダオレ。
スキナヤツナカセテ。


ナニヤッテンダオレ。
カッコワリィナオレ。


微かに肩を震わせる彼を残して。


歩きだす俺の心も残る。


うまくいかない。
素直になれない。










雨が降り出しそうだ。


彼の上にも。
俺の上にも。