↑ひさびさ。とりこは三温糖、わたしは黒砂糖をかけた。
 
 
1泊2日の温泉の旅に行った両親が、帰りがてら遊びにきた。

蔵王名物だというばかでっかい豆腐がおみやげ。そのほかにも惣菜やら野菜やらお菓子やら、どっさり持参してくれた。どうもありがとね。

いまこれを打ってるわたしの目の前には、陶器の犬の置物とチョロQが鎮座している。この、チョロQは3、4歳のころのクリスマスプレゼントだった。

おとんがトイレに行ってるときに、ふくが突拍子もなく叫んだ。

「びゅーんちゃんだー!!」

何ごとかと思った。ひとり興奮しまくる母に、一体なんなのさと話しかける。

ふくちゃんによるとこの薄桃色のチョロQ、「かつてうちの子に買ってやったけれども、今いったいどこにあんだべか…」というようなことを、つい最近おとんと話していたらしい。

用をたしたおとんがこたつに戻ってきたらば、

「お父さん、目つぶって手ぇ出して~、いいからいいから」

と、ふくがベタな手法で手渡そうとする。

はいはい、としぶしぶ従ったおとんが目を開け、やっぱりふくとおんなじテンションの高さで、

「びゅーぅんちゃんだあ!!」

と言ったとき、ああ、やっぱりこのふたりは夫婦なんだなあって思ったよ。

なんでびゅーんちゃんなのさと尋ねると、「びゅーんって、すすむから」。おとんが当時命名したんだって。わたしたち姉妹がそうやってこのミニカーで遊んでいたらしい。「びゅーんっ!」て言いながら。

「でもさ、なんで娘の最初のクリスマスプレゼントがチョロQなの」
「……あんときはなあ、こどもに何買えばいいか、さっぱわがんねかったんだなよあ」

わたしが自分の子にする最初の贈り物は、なんだべか?
 
 
夕方、湯豆腐たべませんかとメールでお誘いしたら、とりこがミスドのシェイクを持って来てくれました。デザートに出したのが、写真のいちごみるく。自分では苺なんて買わないからね、ありがとう、父母。

 
  ・そのひのことのは-016・
 
 
   ほんっと、いやだと思うところいっこもなかった
   みーんなよかったよーう


   母・ふく(動物占いは、おさるさん)がつぶやいた。

 
遠刈田温泉の宿、大忠の感想だそうだ。すっかりご満悦の様子でございましたよ。