こんばんは。
ジャイロ・千々岩です。

Twitterで宣言した週一は音楽のレビューを上げるという件、ちゃんと有言実行しますよ。


記念すべき第一回目ですが、一発目はコレと決めていました。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「或る街の群青」です。

2006.11.29/シングル/¥971+税
KSCL-1068


一番好きなアーティストの一番好きな曲――と言いたいところですが、今は「ワールドアパート」に傾いてます。


「或る街の群青」は一番好きというよりか、一番思い入れが深い、と言えますね。僕にとって。



レビューに入る前に少し思い出話をさせてください。

僕がまだ専門学校生だった頃、小説科選考だったので一年に一度校内で学生による小説の選考会がありました。

僕は三年生のときの選考会に、「或る街の群青」からインスピレーションを得て書いた小説を投稿しました。

「瞳の中の街」という題名の作品だったのですが、とある王国でのファンタジーで、女王さまが泣くと街にも雨が降るという不思議な設定が好評でした。

クラスメイトや先生にも、設定〝は〟良いって言われてたんで(その他キャラ、ストーリーは言わずもがな……)このブログを読んだ人がこの設定盗作して有名になったら、この記事を証拠に起訴しますわ(笑)
まあ、絶対にないけど。


話を聞いていたら薄々わかると思いますが「瞳の中の街」は落選しました。
(二年生のときは入賞したから! 別ので)


そんな感じで、題材にして小説書くほど思い入れがあるんですよ。

てか、あれですね、この話で僕が小説家志望ってこと思い出した人絶対多いと思う。初めて知ったレベルかな?(笑)

一応、ふくい風花随筆文学賞でググると僕出てきますよ。
地味に宣伝。



はい。

そろそろ本題のレビューに入ってゆきます。
我ながら雑談が過ぎるw


普段僕が書いているレビュー(フライングポストマンプレス等々)や一般的なレビューはだいたい200字ないし300字以内なんで、どこかに焦点を当てて書かないと分量オーバーしちゃうんですけど、今回は自分の土俵なんで好き放題余すことなく書き殴ります(笑)


ひとことで表すのなら、
「小説のような重厚なボリューム」

聴き終えたとき、一冊の小説を読み終えたかのような満足感に浸れます。

押し寄せる波の如く、転調を何度も繰り返し、飽き、倦怠を感じさせません。

一度聴いただけではこの曲の全ては見えてきません。聴く度に違う顔を見せるスルメ曲です。

しばらく聴いていなくて、ひさしぶりに聴いたとき、聴く側の自分の状態――年齢、環境、時間帯それぞれ違う感情を抱くから圧巻です。
まあ、これは「或る街の群青」だけでなく、アジカン全ての楽曲に通ずることかもしれませんね。

それもそのはず、
「BEST HIT AKG」のライナーノーツに記されていますが、この曲は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONにとって、メンバーにとって一番、多感で複雑な際に収録された曲らしいです。完成して解き放たれ、その後徐々に解きほぐれていったと語られるほど(笑)
たしかに曲構成的にその片鱗はうかがえますよね。
それほどアジカンが詰まった曲、ということです。

なんたって、この曲が収録されている「ワールドワールドワールド」の次に出されたアルバムが「サーフブンガクカマクラ」ですからねw
そして、「マジックディスク」から「ランドマーク」へと、徐々に曲調がおとなしめになっていってます。
僕の界隈ではこの現象を、アジカンが悟った、と呼んでいますが(笑)

最近は昔のラウド感も混ざってきて古株歓喜ですね!



話も反れ、なんかこう抽象的なことばっかり言ってるんで、具体的に見てゆきましょう。



まずイントロ。
ゴッチが実際に歌舞伎町へ足を運んで録音してきた、雑踏のSEから始まります。
そして、アウトロもこの街の雑踏で終わるフレームワークになっています。
こんな粋な凝らし方がほんと好こです。


そして、キャッチーなギターメロがフェードインしてきて、歌い出しへと。

ほんと、アジカンってキャッチーなリフを作る天才ですよね。
僕はそれとドラムの独特なリズムパターンと清さんの確かな腕が好きでたまりません。(僕がドラムを少しかじっているので)

「或る街の群青」は緩急の付け方が神妙がかってると思います。
上記のたゆたうような歌い出しから、一気にドラムのフィルインと共に曲調が荒々しい8ビートの曲調に変わる瞬間がグッときますね。

曲が二番を終えて間奏に入ると清さんの十八番、ドラムロールパートに入り、これまた転調して今度はまさかの三拍子ですw

息をもつかせない展開に、まさに異次元ヲ回遊状態ですよ。表現力がとんでもない。

一曲にどれほどの要素を詰め込んでんだって感じですよね(笑)
本人たちがこの曲の後は解きほぐれて行ったと言ってたのが納得できますw


どれほど色んな要素が詰まった曲か解説してきましたが、全然語り尽くせてないと思います。


今度は別の方面から見てゆきましょう。
「歌詞」です。

ゴッチが認(したた)める歌詞が好きで聴く、って人もファンの方には少なくないと思います。
これとは違う記事に、「音楽は響きだ。歌詞なんて二の次だ」的なことを書いていたヤツが言うのもなんですが、僕も大好きです。

そのワードを選出するか! ってゴッチの素晴らしいセンスと、色鮮やかで粋なところが彼の歌詞は好きですね。


この「或る街の群青」は、知っている人は知っているというか有名だけど、映画、「鉄コン筋クリート」のテーマソングです。

歌詞にも色濃く「鉄コン筋クリート」の世界観が反映されています。


「鉛色の街」「ネズミ達の濁るブルー」
(嗚呼、ネズミ好きだわぁ 『愛だろ? 愛。それが一番大切なんだ……』ほんと893の鏡)

そしてなんて言ったって三拍子パートのしめくくり
「ソコカラナニガミエル?」ですよね。

「鉄コン筋クリート」の名シーンをそのまま引用してくるとは!たまりませんね。
てか、三拍子パートがクロの精神世界のドロドロした感じを表わせ過ぎてて怖い。(いい意味で)


いや〜、中でも僕が好きな歌詞は、
「日々に願い 求め 奪い合って 世界はダッチロール」

「蹴り出す速度で 何処までも行けるよ きっと……」
です。

最初ダッチロールって言葉を僕知らなくて、ググッたんですけれど、そしたら

ダッチロール:飛行機が横揺れと横すべりを繰り返しながら左右に蛇行すること。 8 の字蛇行飛行。

いやいや、航空用語ってw ゴッチの語彙力に脱帽しました。



そして後者。
いやぁ、人間ってここまでシンプルなセンテンスでこんなにも勇気づけられるものなんだな、と思い知らされる歌詞です。

simple is best
単純で短い言葉こそ強く響くのですよね。
コピーライティングの世界の話になっちゃいますけど。

この記事冒頭の雑談で、「或る街の群青」に感銘を受けてオマージュ小説書いたった、とかクソみたいなこと言ってましたが、インスピレーションを受けた大部分は歌詞の面でしたね。
それほど、曲の歌詞だというのに、世界観がしっかりしているということですよ。
ほんと、「或る街の群青」の歌詞は一つの物語のようですよね。
ゴッチ万歳。


……ちょっと愛をほとばしらせ過ぎてゴチャゴチャになりましたね(笑)

いくらブログの記事だから好き放題書けると言ったって、これは最早レビューとは言えないレベルなのでは?w

次回からは気をつけます。


最後まで、ここまで読んでくださった方は、よっぽどアジカン好きの同士か、奇特な方だと思われます。
ありがとうございます。

では、また別の記事でお会いしませう。


P.S.ジャケットも中村佑介さんのイラストが最高だZE☆ 青好きにはたまらないッ!
よく考えたらここまで愛が深いのも、筆者が無類の青色好きってのもありました。
ノシ