意識して夫のことを考えないようにしている。ひどいな、とも思う。


思い出すことは大事だけど

自分の人生も歩き続けなければならない。

手続きの終わりが見えてきたから

ぼんやりとこの先の事を考える時間と心の余裕ができたのかもしれない。


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グリーフに直面した人に

遺品整理はふわふわしている時でも始めたほうがいいとアドバイスされて、まず衣類から整理し始めた。

誰にも譲ることのできない下着類、パジャマ。それから私も着ないトップス。パンツ。スーツもコートも。長靴も。無になってゴミ袋に詰めた。ラックと引き出しがどんどん空っぽになっていく。


何着かお下がりとして着ている。

自分以外の洋服が洗濯され、物干しにかかっていると寂しさが少しまぎれるのは発見だった。


形見分けをすることもないし、私たちには子供もいないので今後のことも考え、タンスの引き出し1段分の洋服だけを残すことにした。いつか懐かしいなって思えるように、お気に入りで、よく着ていたものを中心に選んでいる。


たとえ血のつながりがあったとしても、誰かにとってはゴミかもしれない。それでも遺族にとっては大切な記憶。遺品整理は記憶の整理なんだね。


仕事机のまわりと本棚は手付かず。

いつ整理が出来るのだろうか…気持ちがまだ無理。掃除だけはしておこうかな。